CO-NECTAR


 

「募集」をもっとカジュアルに――bosyu開発者と運用者をつなげた共通の想い

今回お話を伺ったのは、bosyuの開発者である株式会社Basecamp代表/Onedot株式会社CCOの坪田 朋氏と、bosyuの運営を行なう株式会社キャスター取締役COO/株式会社働き方ファーム代表取締役の石倉 秀明氏。

bosyuは、2018年4月に株式会社Basecampがサービスを開始し、8月よりキャスターが運営しているTwitterやFacebookのつながりを活用したソーシャル募集サービス。今回は、bosyuの開発者と運営者に開発や、事業譲渡の経緯、サービスの魅力について語っていただきました。

石倉 秀明(いしくら ひであき)
株式会社キャスター取締役COO/株式会社働き方ファーム代表取締役
2005年、株式会社リクルートHRマーケティング入社。アルバイト、中途採用領域の求人広告の営業としてスタートし、チームマネジメント、事業企画、営業企画などを経験。2009年6月に当時5名の株式会社リブセンスに転職し、主力事業であるジョブセンスの事業責任者として入社から2年半で東証マザーズに史上最年少社長としての上場に貢献。その後、DeNAのEC事業本部で営業責任者ののち、新規事業、採用責任者を歴任し、退職。2016年より株式会社キャスター取締役COOとして活動する傍ら、個人事業主として多くのクライアントの採用や事業立案、営業部門強化のサポートなどを行い、2016年3月、株式会社働き方ファームを設立。

坪田 朋(つぼた とも)
株式会社Basecamp 代表取締役/Onedot株式会社 CCO
株式会社ライブドアや、株式会社ディー・エヌ・エーなどで新規事業の立ち上げや、UI/UXデザイン領域を専門とするデザイン組織の立ち上げに従事。現在は、BCG Digital Venturesにてデザインシンキングを使って立ち上げた新規事業開発業務を担うOnedot株式会社でCCOとして参画。兼業でデザインファーム株式会社Basecampを創業し、代表取締役としてスタートアップの事業創出を支援している。

コミュニケーションの「きっかけ」を提供するbosyu

――まずは坪田さんにお伺いしたいのですが、そもそもなぜbosyuを開発しようと思ったのですか?

坪田氏(以下、敬称略):bosyuを作ったのは、Twitterのお気に入りとダイレクトメッセージ(以下、DM)の中間となるような「コミュニケーションのきっかけ」を作りたいと考えたのがキッカケです。

TwitterやFacebookなどで「○○を貸してくれる方、募集!」だとか「ゆる募」という言葉をよく見かけますよね。でも、そういう投稿への反応やDMする行為は長らく会っていない人や、会ったことはないけどフォローしている人からするとちょっとハードルが高いなと思っていたんです。だから、DMに代わるコミュニケーションを発生させるための仕組みとしてbosyuを作りました。

石倉氏(以下、敬称略):DMのリプレイスっておもしろいですよね。

坪田:実際は、DMよりも気軽な立ち位置になりましたけどね。bosyuは、「応募者は、募集画面を見て、応募したいと思ったらボタン1つで応募ができる」「募集者は、連絡を取りたい人にSNSのDMで連絡する」シンプルな導線設計にしています。

でも、これがもしbosyu内でメッセージ機能をつけて、連絡するサービスにしていたら、ここまで利用されなかった気もします。とにかくスピーディーに、コミュニケーションを取りたい人とダイレクトにやりとりできるのがbosyuの強みだと思っています。

意外だったのは、応募する側だけでなく、募集する側のメリットも想定していた以上にあることですね。

石倉:募集する側のメリットは気軽に募集を掛けれる以外に、どんなのがあるんですか?

坪田:例えば募集を出したら、思った以上に応募が来てしまったとするじゃないですか。その時に、DMだと「せっかくご連絡いただいたのだから」と、全員に返事をしなきゃいけない雰囲気になり、コミュニケーションコストが増加し気軽に募集できなくなります。でも、いったんbosyuというフィルターを通すことで、マッチングした人だけに連絡できるメリットがあります。

石倉:たしかに、インフルエンサーの方だと全てに対応するのは難しいので、気軽に「ご興味のある方はDMください」のような募集を掛けることができないと聞いたことがあります。新たなコミュニケーションの仕組みというだけでなく、いったんフィルターを掛けられるのも魅力的ですね。

▲SNSを使ってカンタンに募集ができる「bosyu」の3STEP(bosyu公式HPより)

――なるほど。思わぬ効果もあったんですね。これまで数々の新規事業を手掛けてきたデザイナーである坪田さんが、bosyuを開発する際に機能やデザインにおいて気を付けたことはありますか?

坪田:まず機能面では、スマートフォンで簡単に作れて、簡単に投稿できて、応募がきたらDMに一発で飛べるシンプルさは追求しましたね。とにかく、余計な機能は入れない。

見た目のデザインにおいては、一目で「あ、募集しているんだな」ということがわかるようにしています。応募する側から見た時のことを意識して、タイムライン上で、黄色背景で黒文字の画像が画面を占有することで、目に留まりやすくバイラルしやすいデザインにしました。

さらに、タイトルと本文を分けてタイトルを大きく表示させているので、タイムライン上でぱっと見でも読みやすくしています。ほとんどの人がWEB記事においてもタイトルを読んで興味があれば詳細を読むためにURLを開く傾向にありますよね。そこからヒントを得て、まずはタイトルを表示して、興味があればクリックして詳細を見に行ける仕様にしています。

――応募者側への工夫は何かありますか?

坪田:気軽に応募してほしかったので、応募フォームで本文は書かなくてもOKな仕様にしています。でも意外なことに、ほぼ9割以上の応募者が何かしらのコメントを書いてくれているんです。

石倉:そうそう、あれは驚きですよね!たまに、ものすごい熱いメッセージをくれる方もいらっしゃいますね。

――たしかに気軽さはbosyuの魅力ですよね。その一方で、採用などでbosyuを利用した場合に、応募者の管理をどうしようと悩む企業の声も耳にするのですが、そこに関して何かアドバイスはありますか?

坪田:正直、管理するということを踏まえてサービスを作っていないので、現状は難しいかもしれませんね。というのも、サービスの特性上、1つのbosyuの賞味期限はせいぜい1週間くらいですから、ストックすることはあまり考慮していないんです。

それよりも重要視しているのは、いかにスピーディーでライトなコミュニケーションを取れるかどうかです。

例えば、求人サイトで「オフィスでお話しませんか?」と募集を出したとすると、メールでのやりとりや社内調整等で、1週間はかかる。でも、bosyuであれば本人たちさえよければ当日話せちゃうなんてこともあるんです。企業対個人ではなく、個人対個人のコミュニケーションを想定して作っている点も大きいですね。

「募集」すること自体のハードルを下げたかった

――8月にbosyuをキャスター社に事業譲渡しましたが、石倉さんは、なぜbosyuに興味を持ったんですか?

石倉:人材領域や採用領域に長年携わって来る中で、募集を告知するハードルが高すぎると感じることが多々あり、気軽に募集できる仕組みを作りたいとずっと思っていたんですよ。

例えば、デザイナーの求人を出したいとなった時に、デザインの部署から人事に依頼して、人事から求人広告を出す会社に依頼して…というステップだとスピードも上がらないし、内容的にも該当部署の人が直接書くよりも温度感が下がった募集になってしまうことも多いなと思ってました。これでは募集すること自体が大変でハードルが高く、正直面倒じゃないですか。だから、もっと気軽に、誰もが募集者になれるサービスを作りたいと思っていたんですよね。そんな時にbosyuが出て、「あ、これだ!」という感じでした。

あとは、自由な働き方を促進するためにも、働き口の多様性を広げたかったんですよね。これは、キャスターが掲げる「リモートワークを当たり前にし、労働革命で、人をもっと自由に」というミッションとビジョンにも通ずるのですが、場所にとらわれず、誰とでも働ける環境を整えるためには、今世の中に出ている選択肢よりも、もっと多様性を出さなきゃいけないと思っています。

そう考えた時に、まずは世の中に出ている働き口の概念を広げて、募集する側を多様にする必要があると思ったんです。だから、企業が募集をするのではなく、企業で働く個人で募集ができたら、これまでにはなかった新しい選択肢が生まれてくるだろうなと。

――なるほど。そこから譲渡にいたるまでにはどのような経緯があったのですか?

石倉:坪田さんがTwitterで「誰かbosyuの運用をやってほしい」と募集していたんです。それで、すぐに声をかけさせてもらいました!

坪田:実をいうと、もともと私はbosyuを運用するつもりはなかったんですね。ゼロイチでサービスを作れるポートフォリオワークとしてbosyuを作ったので、サービスが利用されるようになったら、bosyuを上手に運営してくれる方に譲りたいと考えていました。それである程度ユーザーが増えたタイミングでSNSで呼びかけたんです。

石倉:その後すぐにお会いして、坪田さんに私自身の「募集」に対する考え方とキャスターの働き方への想いをお伝えしましたね。

坪田:石倉さんのお話を聞いて、「募集」や「コミュニケーション」に対する考え方が同じだなと感じたのと、そこに採用と絡めた熱い思いを語ってくださって、前職が一緒で信頼している石倉さんなら良い方向に運用してくれるだろうと譲ることに決めました。

――実際、キャスターに事業譲渡した後は、どのような影響がありましたか?

石倉:弊社が人事採用周りの事業を手がけていることもあるからなのか、事業譲渡をきっかけにビジネス関連の募集が増えましたね。ビジネスに関連した人集めといっても、「社員募集」だけではなく、採用広報を目的とした「オフィスに遊びに来ませんか」といったライトなものや、「アプリのテストユーザー募集」まで、グラデーションがある印象です。中には、エージェントの方が自分が持っている人材紹介案件を紹介するためにbosyuを使ってくれていたり、使い方は本当に様々ですよ。

坪田:石倉さんの影響力で、人材業界の方がすごい使ってくださっているなというイメージは私もありますね。

あとは、私が個人で運用していたころは、ユーザーが「このサービスっていつまで続くかな」という不安感があったと思うんです。でも、キャスターさんの事業になったことで、その不安感は払しょくできたのではないかなと感じています。bosyu公式アカウントの運用も始まって、ますますこれからが楽しみですね。

石倉:でも、それって私個人の影響というよりも、世の中の企業が人材を採用するにあたって、採用PRに力を入れたり、発信することが当たり前な採用スタイルに変わりつつあるから、bosyuとの相性が良いのはあるかもしれません。

坪田:そうですね。想定外ではありましたが、個人対個人のサービスで開発した『bosyu』が新たな採用ツールの一つとして使えてもらえているのは、開発者としてはすごく嬉しいです。

採用だけに止まらず「募集」という行為そのものへのハードルを下げたいと語ってくださった坪田さんと石倉さん。お話をお伺いして、本当に「人材」を求めている当事者が、自分の言葉で一緒に働く仲間を気軽に、シンプルに募集できる「bosyu」は魅力的だと感じました。

後編では、現在bosyuを運用している石倉さんに聞いた、bosyuを採用ツールとして使用する上手な使い方についてお伝えします。

於ありさ
於ありさ Arisa Oki
CO-NECTER編集部・ フリーライター

1991年生まれ。フリーランスのライターとして「働く」と「好き」を中心に執筆。広報/採用広報なども行なう。

RELATED

関連記事
新着記事一覧

POPULAR

人気記事
人気記事一覧

RECOMMEND

おすすめ記事

REGISTER NOW

今すぐメールアドレス登録
人気記事やイベント情報等を配信しています
お問い合わせはこちら
トップへ