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「採用が上手くいかない」と言っている企業が見落としがちな2つのこと

今回お話を伺ったのは、ガイアックスとクックパッドで採用業務に従事されたあと、そのご経験を活かしてフリーの人事として活躍されている千葉 直子氏。

数々の企業の採用を支援されてきた千葉氏は、「『採用が上手くいかない』と悩んでいる企業には、2つの共通点がある」といいます。

そこで、「採用が上手くいかない」と言っている企業が見落としがちな2つの共通点と、その解決方法や、実際に千葉氏がどのように取り組まれているのかを伺いました。

インタビュー/CO-NECTAR編集長 管 大輔

PROFILE

千葉 直子(ちば なおこ)
採用立ち上げ支援・人事制度企画コンサルタント
2008年に株式会社ガイアックスに人事として入社し、採用チームの立ち上げや人材育成、組織開発、企業広報、総務などを担う。2014年に株式会社クックパッドに転職。新卒採用や、人事制度企画業務に従事。2017年より、株式会社ジョブウェブで週3正社員として働きながら、フリーランスの人事として活動中。企業の採用立ち上げ支援や、人事制度の企画支援を行っている。

── 今回は、フリーの人事として数々の企業の採用支援をされている千葉さんに、採用を成功させる秘訣をお伺いできればと思います。

千葉氏(以下、敬称略):これまで数多くの企業様から相談をいただいてきましたが、「採用が上手くいかない」という企業には2つの共通点があることがわかりました。

その共通点というのが、
1、振り返りを習慣化していない
2、応募直前の行動だけを見て仮説を立てている
この2つです。ここができていない企業が非常に多いように感じますね。

見落としがちなこと① 振り返りが習慣化できていない

千葉:まず一つ目の「振り返りの習慣化」ですが、特にデータを正しく分析ができていない企業が非常に多いです。

エントリー数、内定者数、採用単価を追っている企業は多いですが、大事なのはその過程の分析。各選考の通過率など、まずは過程を分析すること。そして、プロセスの中に小さな違和感を感じたら、しっかりとその部分の原因はどこにあるのかを考えて、解決に向けて仮説検証を繰り返していくことが大切です。

私が振り返る場合には、「何曜日の何時に開催した採用セミナーが一番反応がよかった」「採用イベントの告知は◯日前までにすれば集客できるから、次回開催するなら、◯日、告知は◯日までに完了しよう」など、採用成果には何が関係しているのか細かく数値で振り返りながら、仮説検証を繰り返します。

一見、地味な施策に思えるかもしれませんが、この細かい部分のチューニングに意識を向けられるかどうかが採用プロセスの改善においてとても重要です。

見落としがちなこと② 応募直前の行動だけを見て仮説を立てる

── 採用データを分析する際に、注意するべきことはありますか?

千葉:応募(エントリー)直前の行動だけを見て求職者への訴求ポイントの仮説を立てるのは危険、ということでしょうか。

採用もマーケティングと一緒で、CV(応募、エントリー)直前の行動を知ることはできますが、その動機は複合的です。

── 確かに、本当の意味で動機づけに効果のあったコンテンツの検証は、調べることが難しいですよね。どのように仮説を立てるのが良いのでしょうか。

千葉:内定者や入社してくれた人が採用ターゲットに一番近いはずですから、彼らに「なぜ数ある企業の中から自社の話を聞こうと思ったのか」をヒアリングするのがオススメです。

例えば、私がクックパッドで新卒採用を担当していた頃にこんな事例がありました。

イベントで出会って入社が決まった学生に入社経緯のヒアリングをしてみたところ、「クックパッドのエンジニアブログをずっと読んでいました」と教えてくれたんです。

このヒアリングをしなければ、「イベントを開催したら素晴らしいエンジニアが採用できた」「ブログの更新よりイベントの開催数を増やすことに優先順位を上げよう」という判断になりかねません。

これと同じように、エージェントから応募してくれた人が入社に至ったら、一見「エージェントすごい!」と感じてしまいがちですが、ヒアリングしてみると「知り合いからオススメされていて、たまたま応募だけエージェント経由だった」というパターンもあります。

CV直前の行動だけを見て判断するのではなく、「応募に至ったポイントは本当にそれなのか?」「エージェントの予算を倍にしたら、本当に成果も倍になるのか?」「他に理由はないか?」と検討する必要があります。

「適切な振り返り」を行い「正しく採用データを分析する」ことがとても大切なのです。

採用担当者は忙しい。だからこそ、採用PRに今から取り組むべき

── 正しく分析をした上で、細かくPDCAを回していくことの重要性がよく分かりました。「エントリー後の業務がたくさんあるのに、エントリー前の施策である採用PRに取り組むのは大変」とご相談いただくことも多いのですが、そちらに関してはどう考えていらっしゃいますか?

千葉:私自身、50人から200人までのベンチャー企業で採用業務を経験してきたので、採用担当者の忙しさはよく理解しています。

特に、成長が著しいベンチャー企業は人事の業務が必要に応じて変わりますよね。私も例に漏れず、採用以外にも人材育成や人事制度企画、労務、総務など様々な業務を兼務してきました。

だからこそ、今から採用PRに取り組むべきだと考えています。

── それはなぜでしょうか?

採用PRは、自社にマッチング度の高い人が自然と集まってくる状態を目指すことができる施策です。しっかりとした採用PRができていれば、採用活動に苦労する必要がなくなるのです。

何もせずに人が常に集まり続ける会社は、メジャーなサービスを提供している会社以外はなかなか無いと思っています。自社で働きたいと思ってもらうためには、きちんと採用PRを通して自社の魅力を伝え、自社のファンとの関係性づくりに取り組む必要があります。

「じゃあメジャーなサービスを提供している会社は採用PRに取り組まなくて良いのか?」というとそうではありません。有名なサービスを提供している会社はサービスのファンからの応募も多いので、採用ターゲットと一致しない方からの応募が多いことに悩むパターンもあります。ですから、採用ターゲットにマッチさせた採用PRに取り組む必要が出てきますね。

例えばクックパッドであれば、「入社したら大好きな料理にもっと時間が使える」「料理が上達する」わけではありませんよね。「クックパッド」というサービスの裏側や、技術の部分に興味持ってもらうための取り組みが必要になるわけです。

先程、採用を成功させるためには「適切な振り返り」と「正しく採用データを分析する」ことが大切だとお話させてもらいましたが、この2つに取り組む事で、採用PRの重要性に気が付くはずです。ですからまずは、今できる改善に取り組み、そこから採用PRに繋げていくことをおすすめします。

今回は、フリーの人事として企業の採用支援をされている千葉さんに、自社採用を成功させるためのポイントを伺いました。

「自社の採用をもっと改善していきたいな」と考えていらっしゃる採用担当者の方は、「適切な振り返り」と「正しく採用データを分析する」ことに取り組んでみてはいかがでしょうか。

また、企業の成長フェーズに合わせて様々な役割を担う忙しい人事だからこそ、理想的な採用活動のために、今から採用PRに取り組むことが大切です。

次回は、「採用担当者が採用PRに取り組めない理由と、その解決方法」について伺います!

「採用PRの重要性は分かっているけど、時間が無くて取り組めない・・・」とお悩みの方は、ぜひ参考にされてみてくださいね。

小野瀬 わかな
小野瀬 わかな Wakana Onose
CO-NECTAR編集部・ フリーライター

採用領域を中心に、企業の情報発信をサポートしているフリーのインタビューライター。

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