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【イベントレポート】リクルートメント・マーケティング入門~採用の情報発信、何から始める?

近年、企業の認知度向上や、採用候補者の企業理解向上などを目的とした情報発信が増えています。特にWantedlyやnote、SNSなど気軽に投稿できる媒体が普及し、企業の情報発信のハードルは下がっています。しかし「手段が多すぎて、自社では何に取り組めばいいかわからない…」「他社の真似をしても成果に繋がらない…」と悩む人事採用担当者も多いのではないでしょうか。

6月末に開かれた本イベントでは、ウォンテッドリー社が提唱している「リクルートメントマーケティング」の中でも、情報発信をメインテーマとしたパネルディスカッションを行いました。
採用の情報発信手段として多くの企業が活用しているウォンテッドリー(Wantedly)、ピースオブケイク社(note)、また自社でオウンドメディアを運用しているメルカリ社をお呼びして、それぞれの違いや活用ポイントについてお話を伺いました。

<登壇者紹介>

水野 圭輔氏
株式会社ピースオブケイク
noteディレクター

小池 弾氏
ウォンテッドリー株式会社 
「リクルートメント・マーケティング」エヴァンジェリスト 兼 採用マネージャー

西丸 亮氏
株式会社メルカリ
Corporate Communications Editor

<モデレーター>

マリノ五木田 梨絵
株式会社ガイアックス
プランナー

リクルートメントマーケティング、何から考え始める?

ーー「リクルートメントマーケティング」って幅広い概念ですよね。そもそも、どんなふうに施策に落とし込んでいけばいいのでしょうか?

小池:結構悩ましいところかなと思いますが、最初にすべきことは「どういう企業として見られたいのかを決めるコンセプトづくり」とお伝えしています。私たちが提唱しているリクルートメントマーケティングは「自社に応募する前の段階の人たちにアプローチする」手法を体系的にまとめたものなんですけど。

リクルートメントマーケティングのターゲットになる人は、転職潜在層やちょっと興味がある準顕在層くらいにいる人たちです。その人たちにどうアプローチしてどんな印象を持っているのかを固めた上で、具体的な情報発信の内容や発信媒体は、ターゲットに合わせて考えていくのがいいのかなと思っています。

西丸:まさにその通りだと思います。弊社のオウンドメディアである「メルカン」が創刊される前って、それこそWantedlyでの発信とか、ほかのメディアに取り上げてもらったものとか、個々人の発信とか、情報が点在化してしまっていたんです。それをちゃんと集約して、企業の軸というか、土台にあるコンセプトを伝えていかなきゃいけないよね、ということでメルカンが立ち上がったという背景があって。

さらにその背景には、メルカリにはこんなミッションがあって、そのためには採用が必要だよね、採用するにはこんな人たちにこういう風に思ってもらうためのPRが必要だよね、という、会社のミッションから落とし込まれた軸があるわけです。なので、まず何やるかと言われればミッションから落とし込み、コンセプトを固めることではないでしょうか。

水野:noteは情報発信の手法のひとつですけど、長く続けるためのコツの一つとして「所信表明noteを書く」というのをおすすめしているんです。「この場所では、こういう人に向けて、こういう内容を伝えていきたい」と自分で書いてもらう。

なんでかっていうと、情報発信って長期的なものだから、やっているうちにそういう前提が薄れてきて「何のためにやってるんだっけ?」てなっちゃうときがあるんです。そこで最初に、今お二人が仰ったコンセプトというか企業としての軸の部分を宣言して旗を立てておくと、ちゃんと戻ってこられますよね。

普段はnoteを続けるためのコツとしてお話していることですが、目的をもって情報発信をしていく上ですごく重要なことかなと思います。

ーーまず土台となるコンセプトを固めた上で、ターゲットに合わせて具体的な手法を選んでいくべき、とのことでしたが、手法の選び方で悩むことも多いですよね。例えばnoteとWantedlyどちらかを選ぶのか、どっちも使うならどう使い分ければいいのか…。

水野:必要以上に使い分けを意識する必要はないんじゃないかな~というのが僕の感じるところです。というのも、noteもWantedlyもほかの媒体も、そこにいるお客さんが違うから、全然違うものなんじゃないかなと。だから、できるならnoteもWantedlyも両方使ったらいいと思っています。

その上で、あえてnoteとWantedlyの位置づけの違いを考えると、イメージとしてWantedlyはギリギリ会社の中だと思うんです。対してnoteは会社の外に一歩出ている。会社の中にいる自分と外にいる自分の差を考えてみると、やっぱりちょっと会社の中からだとフォーマルで、外にでるとよりカジュアルですよね。その違いを語り口調とか内容とかに反映していくと、対比として面白いのかなと。

小池:その使い分けの感覚はすごいわかります。Wantedlyも基本的には企業と人をカジュアルにつないでいるものではあるんですけど、とはいえWantedlyの企業ページに来る人は、なにかしらその「企業」に興味を持っているので、例えばオフラインに接続しやすいという特徴があったりします。一方、知ってもらうきっかけを作りやすいのは、よりコンテンツの自由度が高いnoteに強みがあるのかなと。

水野:あとは純粋に機能の違いとかはあるのでね。応募者の管理とかはnoteにはないので、そういうニーズがあるならぜひWantedlyさんを、と(笑)

逆になんかおもしろいコンテンツをどんどん発信していきたいですよみたいな話ならぜひウチに、となるし。でも究極的には「何を書くか」が大事で、企業さんの話を聞いていると本当におもしろそうなテーマがたくさん出てくるので、それをどこで書いてもいいのではと思っていますね。

「社員を巻き込めるような情報発信であるべき」継続する体制づくりに必要な視点

ーーいざ情報発信しようと思っても、色んな壁があってなかなか始まらない、続かないっていう課題も多くあります。何を書いたらいいかわからないとか、ネタはあっても書くのが大変とか。メルカンはもう2016年から3年以上続いていますが、どう運用しているんですか?

西丸:メルカンは、できるかぎりメンバーを巻き込むようにしています。記事の執筆はPRやHRをはじめ、複数のチームが持ち回り制で担当していて、編集部自体は10人くらいのメンバーなんですけど、社内のSlackのメルカンチャンネルには職種関係なく150人くらいのメンバーが入っています。毎日更新しているので、「あれ、今日ネタが無いぞ?」みたいに困っていると、みんなが「あ、こんなことあったよ」とか助け舟を出してくれて。これができるのはやっぱり「採用」という課題感を全社で共有できているという背景はあると思います。

小池:結局、オウンドメディアでもnoteでもWantedlyでも、会社としての情報発信は社員が「ちゃんと関わりたい」と思えるような施策でなきゃいけないと思うんですよね。組織として健全な状態って、「この組織にちゃんといい人を集めたい」と思ってくれる社員がたくさんいること。採用目的の発信を人事・採用担当者だけで続けるって、そういう意味でも難しい面があります。

中にいる社員が協力したいと思える環境を作るという視点は欠かせませんね。

ーー会社全体で「こういう目的のためにちゃんと発信していこう」という機運を高めてメンバーを巻き込んでいくのは重要なポイントになりそうですね。

水野:じゃあちょっと僕はnoteを書いてもらう立場からお話しますけど、「noteに書くネタがありません」というご相談はよく受けます。自社の魅力に気づけていない企業様が多いですが、結局は社内の熱量や素の部分をそのまま伝えていくのがよかったりして

例えば、「最近会社の中ですげえ盛り上がった会議とかありました?」「会議終わりで社員同士ですげえ熱くしゃべったテーマとかってないですか?」とかよく聞くんですけど、それを文字起こしするだけネタとして十分です。もちろんそのまま社外に出すの難しいかもしれませんが、背伸びする必要はないんですよ。あとは発信して、反応を見ながら自己把握を深めていけば、だんだんと何をネタにすればいいのかつかめてくると思います。そのへんメルカリさんはすごい上手い。

西丸:ありがとうございます(笑)ネタ出しははさっき言ったとおり、みんなでSlackで出していくっていうのもあるし、あとは日々現場だけじゃなくて、ちゃんとリクルーターや経営陣とコミュニケーションをとって情報を吸い上げる。経営と現場の両方からキャッチアップしないと、社内でハレーションが起きてしまったり、鮮度のある情報を発信できないのかなというふうに思っています。

ーーライティングは基本的には編集チームがしていらっしゃるんですか?

西丸:編集チームで書くこともありますが、現場のメンバーにお願いすることも結構ありますよ。「こんなネタどうですか?」「いいですね!じゃあ書いてください!」みたいな。やっぱり最初は戸惑う人も多いですけど、その人が書いたほうが絶対に伝わることもあるので。編集部が書くのは簡単なんですけど、全員が発信者になることが当たり前になるように巻き込んでいくのも編集者の役割なのかなと思いますね。まだ十分にできていませんが、大切なことではないかと。

水野:それって、成果が出たときにみんなで嬉しくなれるやり方ですよね。

弊社には「note書く部」という部活があるんですけど、書いたらお互いに報告して、「書いたのえらい!いいね!」って褒め合います。書く人をケアしながら、みんなで楽しむことは大事ですね。

画一的なKPIでは測れない。情報発信の成果をどう可視化する?

ーー参加者のみなさんに事前にアンケートを取ったのですが、1番質問が多かったのは「KPIの設定」でした。成果をどのように評価するのかが難しいですよね。

西丸:もともとメルカンは、いろいろ考えた上で「KPIを設定しない」という意思決定をしていました。でもまさに今、見直していて、何を基準に、何を評価するのかを考え中です。

間違いなく言えるのは、定性と定量、どちらの指標も必要だとは思っています。定性面では、例えばインタビュイーが感じた反響や満足度をアンケートでとるとか。定量面は「体験」を重視したいので、それを数字にすると記事のUU(ユニークユーザー)や滞在時間なのかなと考えていたりはします。定量面では、インタビュイーへのサーベイを実施し、本人に来る直接的なリアクションを追っても面白そう。検討中ですね。

小池:弊社が採用候補者向けの情報発信がちゃんと届いているのかを検証するためにやってみているのは、応募者と書類選考通過者数を一致させる取り組みです。書類選考の評価基準を定量的に設定して「この要素がこれくらいの人は通過」というのを明確化し、基準を満たす人からちゃんと応募がきているのかというのをデータで見ています。

コンテンツを充実させ始めてから、書類選考の通過率も上がっているので、それなりに成果は出ているのかなと。

水野:noteを使ってくださる企業さんにお伝えしているのは、「見るべき指標は、スキの数」ということです。「コンテンツを楽しんでもらえたか」を測れる指標なので、KPIとして使いやすいんじゃないかなと思います。

ーー各社個性がでますね!それぞれ具体的なKPIは違いますが、情報発信する上で何を大事にしていて、それを測るためにはこの数値だよね、という考え方は共通しているのも面白いです。

結局最初に戻りますが、ちゃんと企業として何をしたいのか、どう見られたいのかというコンセプトがあって、そこから体制だったり、発信内容だったり、KPIだったりに落としていくのが大事ということですね。

登壇者の皆さんありがとうございました!

CO-NECTAR(コネクター)編集部
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CO-NECTAR(コネクター) 編集部 / CO-NECTARは「会社と人の魅力をコネクトする」ことをミッションに、採用PRに関する情報発信をしています!

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