
【事例つき】採用活動におけるFacebookの効果的な利用方法とは?
採用活動でSNSを利用している企業が増えています。そのなかでも、実名制であること、細かいセグメントによる広告出稿が可能なことなどから、多くの企業がFacebookで採用活動を実施しています。そこで今回は実際にFacebookで採用活動を行っている企業事例をもとに、メリットやデメリット、効果的な利用方法までをご紹介します。
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採用活動にFacebookを利用するメリット・デメリット
なぜ多くの企業が採用活動にFacebookを活用するのでしょう。ここでは採用活動にFacebook利用をする際のメリット、デメリットをご紹介します。
採用活動にFacebookを利用するメリット
Facebookを利用するメリットとして、多くのSNSと同じように基本的に無料で活用できることが挙げられます。そして2018年7月に総務省情報通信政策研究所が発表したデータによると、インターネットを利用するなかでも、SNSを利用する時間がメールの次に多くなっています。特に新卒採用で重要な10代、20代はインターネット利用の半分以上の時間をSNSに使っているため、企業が採用活動にSNSを活用することは大きなメリットです。
そのほか、Facebookならではのメリットとしては、企業の公式ページ上で、ノート、投稿、動画、イベントなど項目別に発信した情報をアーカイブできること。また、地域、年齢、性別のほか、学歴、職歴、興味関心など詳細なターゲティング設定をして広告出稿できることが挙げられます。
採用活動にFacebookを利用するデメリット
採用活動にFacebookを利用するうえでもっとも大きなデメリットは、必ずしもすべてのユーザーに自社の情報が届くとは限らないことです。Facebookではアルゴリズムによって、親しい友達や家族などより繋がりが強い相手の投稿が上位表示されやすくなっています。そのため、苦心して自社の公式ページに「いいね!」を集めたとしても、企業が発信する情報はリーチを増やしにくいアルゴリズムになっています。
もちろん、定期的に情報を発信し、常にユーザーとコミュニケーションを取っていれば、そのユーザーのタイムラインには表示されますが、コンテンツ作成やアップといった運用負荷がかかります。さらに情報の更新を怠ってしまい、放置してしまうと、求職者からはネガティブなイメージを持たれるリスクがあります。
またFacebookは実名制のため、ほかのSNSに比べ炎上の可能性は高くありませんが、それでもゼロというわけではありません。そのため、コンテンツの編集方針をしっかりと決めたうえで、炎上した際の対応も事前に考え、継続的に利用できるようにする必要があります。
採用を目的とした4社のFacebook利用事例
Facebookを採用活動に利用しているとはいえ、投稿されたものを見るとプレスリリースやブログをそのまま転載しているだけという企業も少なくありません。しかしここで紹介する4つの事例はどれもFacebookの特徴を活かした投稿で、非常に参考になるものばかりです。(いいね!、フォローの数字はどれも2018年8月28日時点のものです)
Amazon Japan合同会社
Inside Amazon
いいね!122,943人 フォロー 123,128人 2012年8月運営開始
言わずと知れた世界的なeコマースサイト「Amazon」の日本支社アカウント。特徴は単純に募集している部門の説明とリンクを入れるだけではなく、そこで働く「人」にフォーカスした投稿になっていることです。例えば、産休、育休制度があるという説明ではなく、実際に制度を活用している人を紹介することで、リアリティや親しみやすさを演出しています。
株式会社DMM
DMM.com Group 採用・広報
いいね! 1,446人 フォロー 1,600人 2016年11月運営開始
ネット通販やビデオ・オン・デマンドを主に、英会話、エネルギー事業などさまざまな事業を展開している株式会社DMMのアカウント。オウンドメディアのコンテンツの投稿が中心です。また社内勉強会、成果発表会、ミートアップなどを画像付きで投稿していて、社内の様子がよくわかるようになっています。
株式会社ラクス
株式会社ラクス(キャリア採用)
いいね! 133人 フォロー 147人 2015年4月運営開始
中小企業向けのクラウドサービス、レンタルサーバー、IT技術者派遣などを行っている株式会社ラクスのアカウント。採用担当者が名前を出し、代わる代わる投稿するスタイルで親近感を演出しています。募集する部署で働いている人へのインタビューも多く、求人情報だけでは知ることのできない様子を知ることができます。
TDCソフト株式会社
TDCソフト 新卒採用
いいね! 224人 フォロー 249人 2013年9月運営開始
コンピュータソフトウェアの開発、販売やシステムインテグレーションサービスを提供するTDCソフト株式会社のアカウント。企業の投稿といえば自社コンテンツへの誘導が多い中、TDCソフトではFacebookオリジナルのコンテンツ投稿が中心です。内容は社内のちょっとした情報や勉強会、イベントの報告などが中心で、動画も多いことから社員の等身大の様子がわかるものになっています。
Facebookで採用活動する際の効果的な利用方法
Facebookを採用活動することのメリット、デメリット、企業の利用事例をご覧いただいたうえで、実際に採用活動を行う際の効果的な利用方法をご紹介します。
企業の情報発信はFacebookページで!
Facebookでは個人アカウントがあれば企業ページをつくることが可能です。ただし個人ページを企業ページにしてしまうと、友だちの上限が決まっていたり、基本的にFacebookにログインしている人しか見られなかったり、検索で見つかりにくかったりと制限が多くあります。そのためFacebookではFacebookページという機能を使い、企業ページを作成をしましょう。
Facebookページを使えば、企業名やサービス名で登録ができ、友だちはファンとして扱われ上限もありません。またFacebookにログインしていなくても閲覧ができ、検索するとでもしっかりと表示されます。さらにそして一番のメリットは複数人で運用できる点です。個人ページで企業ページをつくると、運営はその個人となってしまいますがのかたのみですが、Facebookページであれば、複数人で運用できる点です。Facebookページであれば、仮に誰かが移動や退職となった場合でも、変わらずに運営していけるため、企業ページをつくる際は必ずFacebookページ機能を利用しましょう。
母集団形成を狙うなら、広告出稿も検討しよう
Facebookで採用活動を行う上で、是非利用したいのがFacebook広告です。自社アカウントを多くのユーザーに知ってもらうには地道な投稿も重要ですが、母集団を形成するためには、同時に広告を使うことで人的な手間とコストを削減することが可能です。
Facebook広告を使う最大のメリットは、ターゲティング制度の高さです。具体的には「地域」、「性別」、「交際ステータス」、「学歴」、「勤務先」、「趣味・関心」などがあり、それぞれをさらに細かく設定することができます。
また、さまざな料金体系があることもFacebook広告の特徴です。出稿に対する課金ではなく、クリックされた時点で課金される「クリック課金」。広告が一定回数表示された時点で課金される「インプレッション課金」。そしてインプレッション課金をベースに、広告出稿者がクリックやアプリのインストールなど希望するアクションを起こしてくれそうなユーザーに広告が表示されるように最適化してくれる「最適化インプレッション課金」などが中心です。
まとめ
Facebookページは、長文でも短文でも投稿が可能なこと。実名制のため、広告出稿する際のターゲティングが絞れ、無駄なコストを抑えられることといったメリットがあります。また、ほかのSNSに比べ、ビジネス利用されているユーザーも多いことから、企業が採用活動で利用することに比較的向いているともいえます。
ただし、今回ご紹介した事例でもわかるように、固くなり過ぎず、ユーザーに親近感を持ってもらうことも重要です。投稿基準、コミュニケーション方針、炎上対策などを事前に明確にしたうえで、柔軟な姿勢で臨むことが、成功のポイントになるでしょう。