
【事例つき】採用におけるインスタ活用
FacebookやTwitterに並び三大SNSの一つとなったインスタ(Instagram)。インスタは、写真や動画を共有するSNSで、スマートフォンで簡単に写真や動画を加工・編集し、気軽に日常の一部を切り取ってシェアすることができます。
採用活動においてSNSを積極的に利用する企業が増えている今、「インスタは採用に使えるの?」と疑問を持つ方も多いはず。そこで、採用活動におけるインスタ利用を、実際の利用事例を踏まえながら解説していきます。
採用活動にインスタは使える?
採用活動におけるSNS活用は、ユーザー層と採用のターゲット層が一致する場合に効果が見込まれます。つまり、インスタのユーザー層とあなたの会社の採用ターゲットが一致していなら利用価値があります。
わざわざアクセスしないと閲覧してもらえない採用サイトとは違って、インスタアカウントであれば、ハッシュタグなどの検索によって認知してもらえる可能性もあります。写真や動画で会社の雰囲気を伝えられれば、会社に対して親近感やいい印象を持ってもらえるかもしれません。
インスタのユーザー数・ユーザー層
では、インスタのユーザー層を見てみましょう。ユーザー数は年々増加し、アクティブユーザーは2018年度9月時点で2900万人。若年層でもアクティブ率が高いのもポイントです。若い女性が使うSNSという印象をお持ちの方も多いかと思いますが、意外にも年代・年齢ともに幅広いユーザーが利用しています。この数値から見て、新卒採用における活用はもちろんのこと、中途採用においてもインスタ活用が有効な企業も多いのではないでしょうか。
参考:【無料で簡単DL】2018年11月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ
採用にインスタを活用するメリット・デメリット
採用活動にインスタが利用できることがわかったところで、活用におけるメリットとデメリットを理解しておきましょう。
メリット
1.会社の魅力を視覚的にアピールできる
インスタは日常の写真や動画を、気軽に、そして簡単に投稿できます。採用サイトには載せないような写真も投稿できますし、サイト更新のようなわずらわしさもありません。ほかの媒体とは違う切り口で自社の魅力を伝えられます
2.会社を身近な存在として認識してもらえる
SNSの特徴でもありますが、気軽に双方向のやり取りが可能です。投稿に対するコメントはもちろんのこと、ストーリーや投稿機能などでもユーザーと交流できます。この交流によって企業を身近な存在として認知し、好感を持ってもらえる可能性が高まります。
3.採用後のギャップを減らせる
テキストでは伝えきれない情報を視覚的に訴求できるため、会社をよりイメージしてもらいやすくなります。テキストばかりになる募集要項で社風を伝えるのは限界がありますが、写真や動画を使えば社員の様子やオフィスの雰囲気をよりリアルに伝えられ、ユーザーもどのような会社かより具体的にイメージできるでしょう。そうすることで、採用後のギャップを減らし、採用ミスマッチ低減に繋げられます。
デメリット
1.継続的に運用するのが難しい
インスタに限らず情報発信する施策すべてに言えることですが、投稿内容の企画、写真素材準備、投稿文作成など、やることが多く手間がかかります。さらに、効果を出すためには定期的に投稿する必要があるため、運用コストもかかります。継続的な運用は簡単ではありません。
2.インスタに合う写真素材が用意できない
多くの企業がインスタ運用で抱えがちな課題は、写真映えするようなネタがなく、画像を用意できないということです。写真加工などで実際にはいろいろ工夫はできますが、SNS運用の知見がない採用担当者はつまずいてしまうかもしれません。
3.ターゲット層がずれると全く効果がでない
インスタを採用活動で活用する場合、インスタを使っているユーザーからの認知獲得、もしくはすでに会社を知っているユーザーとの関係性を深めるという用途が多くなります。いずれにせよ、採用ターゲットがインスタのメインユーザー層でなければ、意味のない施策になってしまいます。
インスタ運用を始める前に、理解しておきたい基礎知識
インスタを始めるにあたって、インスタがどのようなSNSで、どんな特徴があるのかを理解する必要があります。運用を始める前に、理解しておきたい基礎知識をご紹介していきます。
通常投稿とストーリー、ライブ配信
インスタへの投稿は、写真(動画)+投稿文からなる通常投稿のほかに、ストーリーとライブ配信があります。それぞれの特徴を解説していきます。
1.通常投稿
通常の投稿は、写真または動画と文章を合わせて投稿する、もっとも一般的な投稿です。投稿するとアカウントのプロフィール一覧に残り、蓄積されていきます。また、自分のアカウントをフォローしているユーザーのタイムラインに流れます。

▲左:通常投稿(https://www.instagram.com/p/BsOooEUAOdA/)
右:instagram公式アカウントプロフィール画面(https://www.instagram.com/instagram/?hl=ja)通常投稿は一覧として蓄積されていく。
2.ストーリー
インスタアプリを開いた際のタイムライン上部に、フォローしているアカウントのストーリーが丸く表示されます。ストーリーの詳細はそこをタップすることで見られるほか、各アカウントのプロフィール画面からも閲覧可能です。ストーリーへの投稿自体は24時間で消えますが、ストーリーハイライト機能を利用することで、プロフィール文の下にアーカイブすることも可能です。

▲左:タイムライン上部に表示されるストーリー
右:instagram公式アカウント(https://www.instagram.com/instagram/?hl=ja)のストーリー画面。このストーリーが投稿されたのは6時間前のため、残りの閲覧可能時間は18時間。

▲投稿から24時間経過したあとのストーリーでも、ハイライト機能を使えば閲覧可能に。
3.ライブ配信
ストーリーの画面からライブ配信することも可能です。ライブ配信は、基本的に配信中しか見られません。企業イベントをリアルタイムで中継する、などの使い方ができます。
独特のハッシュタグ文化
インスタには独自のハッシュタグ文化があり、このハッシュタグは検索で多く利用されます。このハッシュタグを利用した検索文化も根付いており、ユーザーはハッシュタグを通して、欲しい情報や好みに合う新しいアカウントを見つけています。また、アカウントだけでなくハッシュタグ自体をフォローすることも可能です。このような検索でアカウントを見つけてもらうためにも、ハッシュタグを有効活用しましょう。
ハッシュタグの使い方は、以下の記事を参考にしてください。
人気ハッシュタグの付け方とは? アカウント運用・分析コンサルタント直伝のポイントまとめ
採用にインスタを活用している企業事例9選
採用のためにインスタアカウントを運用している企業は多くありますが、その中でも工夫がなされていたり、企業文化を感じられるアカウントをピックアップしていくつか紹介していきます。
【事例1】共栄資源管理人

福岡県小郡市で家庭ごみの回収を行う会社、有限会社共栄資源管理センター小郡のアカウントです。社内の様子をコツコツ発信する、一番シンプルな運用をされています。地域名のハッシュタグを利用することで、プロフィールページを参照しなくてもどこにある会社なのかがすぐにわかりますね。曜日ごとに担当を決めて発信することで、更新の滞りを防ぎ、更新内容が単調にならない工夫もされています。
【事例2】ネッツトヨタ石川

自動車事業を展開するネッツトヨタ石川の採用担当者アカウントです。社内イベントの様子や告知、社員インタビュー記事への導線として利用しています。投稿に白枠をつけて統一感を出す、社員インタビュー投稿には吹き出しのフォトプロップスを使うなど、アカウント運用のこだわりやインスタ映えする工夫が伺えます。
【事例3】ソルブレイン

宮城県仙台市でデジタルマーケティング事業を展開する、株式会社ソルブレインのアカウントです。飾らない社内の日常の様子がよく分かる投稿が多く、好感が持てます。ストーリーも積極的に活用し、ハイライト機能を使ってカテゴリ別にアーカイブしているので、いつでも会社の様々な顔を見ることができるようになっています。

【事例4】クーロンヌジャポン

茨城県南を中心に展開するベーカリー、株式会社クーロンヌジャポンの採用カウントです。店舗で働く人達の裏側などが伝わる投稿が多く見られます。「笑顔元気溢れる会社日本一」
を目指す会社ということもあって、スタッフの笑顔あふれるアカウントになっていますね。
【事例5】アダストリア

多数のブランドを展開するアパレル企業、株式会社アダストリアの採用担当者アカウントです。会社イベントの様子などに加え、アパレル店員になりたい人向けのお役立ち情報も発信しています。アパレルや美容系は、採用候補者がインスタを使っている可能性が高く、インスタと相性がいい業界です。
【事例6】ミス・パリ・グループ

エステティックサロンなどを展開するミス・パリ・グループの採用チームアカウントです。自社で開催する就活生向けのイベント告知や内定式、表彰式など投稿などが多く見られ、内定後や入社後のイメージを持ってもらいやすいですね。
【事例7】Hilton Tokyo

世界的に有名なヒルトンホテルグループのヒルトン東京の採用アカウントです。ホテルの舞台裏の投稿のほか、さまざまな職種の人に「ヒルトン東京で働くにあたりチャレンジングなことは何ですか?」などとインタビューしていく動画コンテンツが継続的に投稿されています。実際に働く人の生の声を聞けるのは、求職者にとっては嬉しいですね。
【事例8】創和プロジェクト

北海道札幌市でブライダル関連事業を手がける、創和プロジェクト株式会社の採用アカウントです。仕事風景とともに、働く人の素顔や想いが伝わるような投稿がたくさんされています。会社として大事にしている考え方や想いも伝わってきますね。
【事例9】インビジョン株式会社

人材関連事業を手がけるインビジョン株式会社のアカウントです。就活をテーマとした漫画を投稿しています。インスタではイラストや漫画は人気コンテンツで、作成の手間はかかりますが認知獲得には有効です。採用コンテンツ強化を支援する会社のアカウントですので、運用の参考にしてみるといいかもしれません。
まとめ
採用におけるインスタ活用を、事例とともに紹介してきました。インスタの特性を理解した上で、どうしたらインスタを有効活用できるのか考え、ぜひ今後の採用活動に生かしてみてください。