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Books&Apps編集長 安達裕哉氏に聞いた、採用PRコンテンツの作り方

前回の「採用PRを成功させるコツを、企業が情報発信できない2つの理由から考える」では、ビジネスパーソンのための大人気メディア「Books&Apps」を運営をしながら、企業へのコンサルティングを行っている株式会社ティネクト代表取締役の安達 裕哉氏へ、採用PRを成功させるコツを伺いました。
今回は、採用PRで発信するコンテンツの作り方について伺います。

インタビュー/CO-NECTAR編集長 管大輔

採用PRの目的はコンテンツをバズらせることではない

管:続いて、コンテンツの作り方について伺っていきたいと思います。企業が採用PRに取り組む上で、発信するコンテンツの内容はどのように決めていくのが良いのでしょうか?

安達氏(以下、敬称略):発信するべき内容は目的やターゲットによって異なりますが、採用PRに取り組む目的に立ち返ることは大切ですよね。

KPIにシェア数やフォロワー数を設定している企業は多いですし、もちろんそれらも一つの指標にはなるのですが、採用においてコンテンツが拡散すれば成功かというと、必ずしもそうじゃないということを理解しておく必要はあるかと思います。

例えばですけど、ベストセラーを書こうと思ったら電磁気学について書いちゃいけないじゃないですか。テーマをこれだけ絞ってしまうと、読者層が限られてしまうので。

管:なるほど。確かに、大勢の人が興味のあるコンテンツって、ある程度決まっているかもしれません。

安達:採用PRにおいても同じです。採用PRに取り組む理由が「読者に自社の魅力を深く知ってもらうことで、熱狂的なファンになってもらう/この会社で働きたいと思ってもらう」だとします。そうすると、例え多くの人に共感してもらえなかったとしても、自分たちが大切にしている価値観で作った納得いくコンテンツを見て入社してくれる人がいたら、それでOKだし、むしろそれがゴールじゃないですか。採用PRのコンテンツは、必ずしも拡散すればいいってわけじゃないんです。

管:30万人に見られても、1人も採用やファン化に繋がっていなかったら、採用PRコンテンツとしての目的は達成できていないですし、逆に採用やファン化に繋がればPVは少なくても問題ないわけですもんね。

執筆テーマを「採用」という枠組の中で考えるから難しい

管:先ほどは「情報発信の理想的な頻度は毎日」と仰っていましたが、ターゲットに刺さるコンテンツを、毎日書くのは正直大変そうって思うのですが…。

安達:採用という枠の中で考えすぎているから難しいんだと思います。

例えば、転職を検討している人は、転職先について24時間考えているわけじゃないですよね。通勤時間とか寝る前とか、せいぜい1日の中で1時間程度でしょう。転職を検討している人が考えていそうな他の情報にも柔軟に触れるといいと思いますよ。

ブログで経営に纏わる法律解説を発信していらっしゃる弁護士の先生から、「このテーマについて書くのは時間がかかるからたまにしか更新できないし、すごく堅苦しい雰囲気のブログになってしまう」とご相談いただいたことがありました。ですが、その方はロードバイクが趣味だったので、「趣味のロードバイクについてもたまに書いてみたらどうですか?」とアドバイスしたんです。

「えっ、全然関係ないじゃないですか」と驚かれていましたが、スポーツを趣味にしている経営者って実はすごく多いのでそのキーワードでの流入も増えましたし、「私もロードバイク好きなんですよ!」というお客様と会話が盛り上がるきっかけにもなったそうです。

一見関係ないような記事でも、何がフックになるかは分からないんです。重いコンテンツをたまに投げるよりも、軽くても重くても、ターゲットが関心のありそうなコンテンツを毎日投げていく方が効果は高いです。

管:なるほど。

安達:管さんは経営者のSNS運用サポートとかもしていらっしゃいますけど、経営者であれば、今朝チェックしたニュースに一言感想つけて引用リツイートすればそれがコンテンツになるじゃないですか。

管:おっしゃる通りです。「この経営者は日々どんな情報をチェックしているのか」というニュースキュレーション自体がコンテンツになりますからね。

コンテンツの質を数値で判断しようとするのはナンセンス

管:コンテンツが「ターゲットに刺さる内容になっているかどうか」がとても大事になってくると思うのですが、安達さんが運営されているBooks&Appsではどのようにコンテンツ内容の評価をされているのでしょうか?

安達:私を含めた編集部4人が、面白いと感じるかどうかです。完全に主観だけで判断しています。「今日の記事よかったね」みたいな(笑)

管:え、そうなんですか!(笑)意外です。

安達:というのも、量の判断は計測すればいいですが、質の判断は基本的に計測できないものだと考えているからです。

以前AIの研究者に取材させていただいたのですが、「小説の面白さを機械に判断させるのは難しい」と仰っていました。文章の翻訳ができたとしても、面白さを判断するためにはその翻訳を「どう解釈するか」じゃないですか。それを機械に判断させるのはとても難しいことだそうです。

将棋でAIが勝利したことが話題になりましたけど、語弊を恐れずに言えば、あれはAIがすごいのではなく、将棋というゲームが簡単だっただけなんだと思っています。

例えば、大喜利のAIを作っている人がいるとしますよね。そうすると、「面白さとは何か」「笑いは何か」という認識の話になってくる。認識の本質を扱うとなると、AIはもう一つ枠を超えなければいけないのです。なので、「文章の面白さ」を数値に置き換えて判断することは基本的に難しいと考えていますし、無理矢理数値化する必要もないと思っています。

バズるメディアの最低基準とは

管:そうすると、質については安達さん達のように主観で判断していくことが良いのでしょうか?

安達:採用PRの目的の一つは「マッチング度の高い未来の仲間を集める」ことですから、そういった意味でも、自分たちが満足するコンテンツを作るのが個人的には良いと思います。

あとは、なぜ質の判断をしようとしているのかにもよると思います。

例えば、先程「採用PRコンテンツは必ずしもバズらせる必要はない」というお話もしましたが、「記事がバズらないからコンテンツをブラッシュアップしたい」という理由であれば、それは「バズっていない=質が低い」ということでは無いので。

管:ちなみに、バズりそうなテーマで執筆したのにバズらない場合って、どんな要素が考えられるのでしょうか?

安達:良い記事を出せば反響はあるので、「バズるメディアの最低基準を満たしていない」ということが一つ挙げられると思います。

自分のメディアのセッション数が少なかった頃、別のメディアに寄稿して自分の記事の質を検証していたんですけど、1日に1,000セッションあるメディアじゃないと、良い記事を出してもバズらないことが分かりました。

管:1日1,000セッション超えている企業のメディアって少ないですよね。

安達:そうですよね。母数が足りないので、数字で記事の質を判断することは難しいんですよ。それを超えてから質については議論するべきだと思います。

あとは、「届いて欲しい人に読んでもらったあと、どんなアクションを起こしてもらいたいか」を具体的にイメージして目標にするのもオススメです。

「ターゲットとして狙っている人からいいねをもらう」とか「影響力がある人(例えばZOZOの田端さん)にRTしてもらう」とか「自社のメンバーが友達にシェアしてくれればOK」とか。

質に関しては数値化で評価しようとするよりも、特定の人に届けることを目標にするほうが精度が高いと思いますよ。

まとめ

今回は自社メディアを運用していく上で非常に参考になる、「執筆テーマ(コンテンツ内容)を決める上でのポイント」や「コンテンツの質を判断する基準」など、採用PRコンテンツの作り方について具体的に伺いましたが、いかがでしたでしょうか。

「なぜ採用PRに取り組むのか」「目指しているゴールはどこなのか」をしっかりと見据えて、ターゲットに刺さる良質なコンテンツを積極的に発信していきましょう。

小野瀬 わかな
小野瀬 わかな Wakana Onose
CO-NECTAR編集部・ フリーライター

採用領域を中心に、企業の情報発信をサポートしているフリーのインタビューライター。

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