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他社と比較するから、自社の魅力が伝わらない。── 石倉流、自社の魅力の生み出し方と、情報の届け方

前回のインタビューでは、「人を採用したいのであれば、採用PRはもう必須の時代である」と、社会構造の変化から採用PRの必要性を語ってくださった石倉さん。続編となる今回は、実際に採用PRを進めていくにあたっての進め方や情報発信術を教えていただきます。

「主語」と「粒度」と「場所」を変えて発信することで、情報が届く層を変えていく

先ほどは、ゆるやかな好意を持ってくれている人を常に100人くらいつくっておくイメージとおっしゃっていましたが、その好意の形成をどのようにつくり出しているのか、石倉さんの情報発信術を伺いたいです。

石倉秀明氏(以下、敬称略):情報発信する際に考えていることは、どうやったら自分のイメージする層に情報を届けられるのか?ということです。多くの情報が行き交う現代においては、自分の届けたい人に情報を届けるべく、自分でコントロールする必要があります。

そのために工夫していることが2つ。

まず一つ目は、メディアを変えること。私自身の発信においては、Twitterを全ての終着点としているのですが、Twitterだけでは当たり前ですが私の情報にタッチができない人は出てきてしまいます。ですから、ツールを変えてnoteを使うこともあるし、会社のブログに書くこともあります。また、取材であればメディアが変わることで異なる読者層に情報を届けることができますよね。

そしてもう一つは、発信する際の「主語」と「粒度」を変えることです。例えば、採用についての発信であれば、採用に興味のある人にしか届かないけれど、主語を働き方に変えてみると、届く層がグッと広がりますよね。自分の生い立ちの話をしてみることもあれば、制度の話をすることもあります。

この発信方法は、あくまでも自己流なんですが、こうやって情報が届く層を変える工夫をしていますね。その上で絶対的に必要だと思うのは、情報が多く行き交う場所には、きっちりと情報を流通させるということ。現代では、情報を入手し日常的に多くの時間を使っている場所は間違いなくSNSなので、そこは外してはいけません。

あとは、この情報発信の工夫を、社内広報に活かすこともありますね。

先日は、給与制度についての「リモートワーク×ホラクラシー型組織の給与評価制度を作りました」という記事を書いたのですが、これは社内メンバー、特にマネージャー陣に向けての発信を意図として公開しました。設計における思想をきちんと伝えたかったんです。それを社内のメモなどで伝えようとすると、全く同じように書いてあってもどういうわけか伝わらない。記事として流通していることで、友達や知人に聞かれる機会がでてきますから、説明するようになって理解が深まる。メンバーにもしっかり伝えられるようになっていきます。

自社の魅力は、他社比較ではなく「思想」と「思考」から生まれる

管:あとはやはり、発信する内容ですよね。採用「PR」というくらいですから、どうやったら自社の魅力をうまく伝えることができるのか、みなさんが頭を悩ますポイントだと思います。

石倉:そうですね。よくありがちなのは、みんな一生懸命に自社の魅力を伝えようとして、「他社と比べてうちはこうだよ」とか、「大手と比べて裁量権があるよ」とかって、比較してしまうこと。そうすると、びっくりするほど魅力が伝わらないんですよね。

外部の人からすると、その違いなんて正直わかりません。他社と比較した結果、結局他社と同じになってしまうんです。例えば、Wantedlyの記事とか職種で絞って一覧で見てみると、同じようなタイトルが並んでしまっていることってありませんか?

管:そう言われてみると、確かにそうですね。魅力を伝えようとして、魅力がなくなってしまうという…

石倉:ではどうやって、自社を伝えていくのか。それを考えた時に、他社にまねできないものは、その人の頭の中にある「思想」や「思考」でしかないと思ったんです。

1年半ほど前、キャスターで採用を強化していく際にまずやったことはWantedlyブログだったんですが、その際に発信する内容として共有したことは、「今業務において困ってることや、仕事やプライベートで考えていることをそのまま書く」ということ。なぜなら、その人の言葉で書かれるその人の思考は絶対に固有のものなので、他社にはまねできないからです。

当時10人程いたマネージャーと経営陣で、週に2回、持ち回りで記事を書いて発信することを5週間くらい続けました。そこでフォロワー数が一気に増えて、ベースができたことで、応募数は2倍にまでなりました。

代表の中川が書いた記事で印象的だったのは、『「意識が高過ぎる」という病』という記事。内容としては、キャスターはリモートワークを当たり前にすると言っている中で、ここでスキルの高い人間だけを集めて成功しても意味がないという話です。誰でも当たり前にリモートワークができる世の中にしたいのだから、スキルの高い人やレベルの高い人だけを集めるという考えを否定しています。

でもこれって、普通のベンチャー企業では言わないじゃないですか。

管:言わないですね。むしろ欲しいと思いがちです。

石倉:ですよね。だから、これがキャスターの思想であり、固有のものなんです。

そうやって発信を続けていくと、面白いことに、みんなそれぞれ書く内容は違うんだけれど、共通した想いや大事にしているキーワードが出てきて、会社の雰囲気がなんとなくできてくる。そうやって出てきたものが、会社のコアとなり、魅力となっていくんです。

私はマーケティングの専門家ではありませんが、マーケティングにおいてはずしてはいけないのは、ポジショニングだと思っています。自社をどこに置くか。その市場には自社しかいない!という状況を作った方が、絶対に強いですからね。

先にも話したように、採用PRは効果が見えづらい取り組みです。ブランドに投資するとのと同じですよね。はっきりとした効果がどこに出てくるかわからないし、何に効いているのかわからない。でも、その見えないものがきっと壁になり優位性になるだろう可能性のあるところに投資するのは、私は大事な意思決定として必要じゃないかと思いますね。

情報は発信し続ける ことで、競合優位となり、情報が再び集まる場所になる

管:そしてもう一つ、発信し続けられるかどうかも大事だと思っています。石倉さんは、定期的に情報を発信し続ける工夫などはありますか?

石倉:やはり一番は苦じゃないというところ、楽しく発信できていることが大きいと思います。Twitterでつぶやく時間は、朝の散歩中だったり、電車の中だったり、子供を寝かしつけながらだったり、隙間時間にやっていますね。

内容は、その時に頭の中を占めている事を書いているだけです。先ほどの、思想や思考の部分ですね。

管:なるほど。発信が億劫になる要因の一つとして、Twitterをやるためにつぶやくことを考えてしまうことがあると思っています。その時、頭の中にあることを出せばいい、そう考えると発信がラクになるかもしれませんね。

石倉:そうですね。例えばマーケティングのお仕事をされている方であれば、業務のことでもいいし、調べたり使ったりするツールのことでもいいじゃないですか。

これはポジショニングの話に繋がってくるのですが、私はノウハウは全部出すと決めていますね。時々、ノウハウをしてまねされることがあるんじゃないかと心配される方がいますが、意外とまねされない。むしろ、出すことで優位性が担保されるため、メリットの方が大きいんですよ。

というのも、発信することで、単純にすごいと思ってくれたり役に立つと思ってくれたりしてフォローしてくださる方が増えるし、コメントが集まって、情報がまた集まってくるんです。そして、新たな繋がりだってできる。出す人には色々なものが集まってくるので、情報は出せば出す程、優位に立てるんですよね。だから、情報は持ってるだけでは意味がないなって思っています。

あとは、できることから小さく始めるのも大事です。いきなりメルカン作ろうと思ったって、無理ですからね(笑)フルパワーでやるのはいいことですが、フルパッケージでやろうとしないこと。目標設定をした上で、できるところから少しずつ始めていくのがいいと思いますね。

まとめ

前回と今回の2回にわたってお送りした石倉さんへのインタビュー。

まずは、社会構造の変化により、今では採用PRが採用活動において必須の施策になっており、自社に興味を持ってもらう好意形成によって採用活動を成功に導いていくという、採用PRのあり方と必要性を教えていただきました。

そして、情報発信していくにあたって、主語や粒度を変化させるという異なる層への情報の届け方や、思想や思考での自社の魅力のつくり方の情報発信術は、とても勉強になる内容でした。

CO-NECTARでは、これからも石倉さんに度々ご登場いただく予定ですが、採用PRを強化していきたい方は、ぜひ石倉さんの情報発信に直接触れてみてくださいね。

▪️Twitter:https://twitter.com/kohide_I
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▪️働き方ファームブログ:http://hatarakikatafirm.jp/

鶴見 美保
鶴見 美保 Miho Tsurumi
CO-NECTAR 編集部・ 編集/ライター/カメラ

自分のライフスタイルを模索する中で、ガイアックスSOC事業部で週3正社員として働くことを決める。趣味は、旅とトレイルランニング。

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