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応募者数3倍、定着率は100%に。エンジニア採用を成功させる採用PR術――株式会社スペースマーケット

空いているスペースを1時間単位で貸し借りできるサービス「スペースマーケット」を提供する、株式会社スペースマーケット。

同社は、2015年から採用PRの一環として、エンジニアとデザイナーによる開発ブログ「SPACEMARKET BLOG」を運営。競争が激化しているといわれるエンジニア採用において、3年で応募数を約3倍に増やすことに成功し、入社後の定着率も100%を維持しているそうです。

今回は、採用PRに積極的に取り組むようになった背景や、具体的な運用方法などを、同社取締役/CTOの鈴木 真一郎氏と、カスタマーサクセス部 採用担当の平井 優季氏に伺いました。

インタビュー/CO−NECTOR編集部 阿部 裕華

PROFILE

鈴木 真一郎(すずき しんいちろう)
株式会社スペースマーケット 取締役/CTO
早稲田大学第一文学部卒。SIerにて決済システム立ち上げ後、2005年ヤフー株式会社入社。エンジニアとしてサッカーW杯、夏季冬季五輪などメガイベントの開発・運用、ネタりか等の新規事業立ち上げに従事。社長賞受賞。2010年リクルートで複数のサービス立ち上げに参画後、2011年ソーシャルアプリ事業でのスタートアップ起業を経て、2014年1月、株式会社スペースマーケットを共同創業。

平井 優季(ひらい ゆき)
株式会社スペースマーケット カスタマーサクセス部 採用担当
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、株式会社JTBを経て、2014年12月に5人目の社員としてスペースマーケットへ入社。法人ゲストへの営業・イベントプロデュース等を担当。2017年1月から産休・育休を取得し、2018年4月より復職。現在はカスタマーサクセス部に所属、部の採用部門も担う。

採用PRに取り組み始めたきっかけは、エージェント採用での失敗経験

——まずはじめに、採用PRに取り組み始めた経緯を教えてください。

鈴木氏(以下、敬称略):エージェント経由でキャリアもスキルもあるエンジニアを採用したときに、会社のカルチャーにうまくマッチングしなかったことがきっかけです。素晴らしいスキルとキャリアがあっても、カルチャーマッチしていないと上手くいかないんだなと痛感した出来事でした。

そこで、「カルチャーマッチをより一層大切にしていくのなら、自らカルチャーを発信していかないといけないよね」ということで、2015年から採用PRの一環として、エンジニアとデザイナーによる開発ブログをスタートさせました。SNSや採用メディアなどのコンテンツを分散させずストックしていきたかったことや、会社とメンバー双方顔が見える形のブランディングとして活用できるようにもしたかったので、自社でブログを立て運営しています。

——カルチャーを発信していく手段として、ブログという手段を選んだのはどうしてですか?

平井氏(以下、敬称略):理由は3つあります。

1つ目は、バリューの体現です。私たちが掲げているバリューの一つに、「TEAM:自分より優秀な人財を採用し、共に成長し、最高のチームを作ろう。」というものがあります。職種や部署問わず、全員が採用に携わっていくという価値観はもともとあったので、全員がそれぞれの思いを自身の言葉で発信できるブログという手段を選択しました。

2つ目は、求職者の方に効率よく、より深く私たちのことを理解してもらうためです。「自社のカルチャーを伝える」という点においては、エージェントなどを介すよりも、自分たちの言葉で発信する方が熱量が伝わりやすいですし、効率も良いと考えました。

3つ目は、ブログで自社の情報を発信することによって、採用PR以外の役割も担えるからです。社外に対してだけではなく、社内に対する社内報的な役割や、会社全体のブランディングとしても活きてくると考えました。

開発ブログだけではなく、全社としてのブログや、カスタマーサクセス部のブログも運用しているのですが、それらも同じ目的で発信を行っています。

執筆はメンバー全員で担当!スペースマーケット流、開発ブログの運営方法

——開発ブログは、具体的にどのように運営されているのでしょうか?

鈴木:執筆テーマは特に指定せず、自由に書いてもらっています。想定外な記事がバズることもあるので、そういった意味では自由に書いてもらう今のスタイルのままでいいと思っています。

また、執筆はメンバー全員で担当しています。週に1本のペースで記事を更新していますが、これまで特別な理由以外で更新が滞ったことはありません。

——すごいですね!「ブログの更新をお願いすると、日々の業務と兼務することになるので更新頻度の維持が難しい」と悩まれている採用担当者もいらっしゃると思います。

平井:もともと「発信する」というカルチャーが根付いていることが大きいかもしれません。代表の重松が日頃からSNSを使った情報発信など個人のブランディングをしている影響で、自分たちのことを自分たちで発信することが習慣になっているメンバーが多いんです。

鈴木:あとは、「更新が滞ることなく続いている」といった、全員でリレーをしているようなプレッシャーがあるかもしれませんね(笑)

——メンバー全員で執筆を担当されているとのことですが、クオリティの担保などを担う、いわば編集長のような専任者はいらっしゃるのでしょうか?

鈴木:編集長などの専任者は特に置いていません。エンジニアやデザイナーの特性なのか、お互いに仕事をレビューしあう文化があるんですよね(笑)誰かが何かを言わずとも、自然にSlack上で誤字脱字とか細かい部分までお互いにレビューしあっています。

あとは、開発ブログは採用率アップに貢献しているので、評価の対象の一つにしています(はてぶのホットエントリー[※]に入ったら評価するなど)。なので、この評価制度がクオリティの担保に寄与しているかもしれません。

[※]はてなブログ内で、ブックマーク数などを基に「人気がある」「話題がある」と判断され、「人気エントリー」のコーナーで紹介されること。

採用PRに取り組んだ結果、応募者数は約3倍、入社後の定着率は100%に

——採用PRの一環として開発ブログをスタートされて、どんな成果が得られましたか?

鈴木:応募者数は約3倍になりました。私たちは現在全社員50名、そのうち15名がエンジニア、5名がデザイナーですが、採用PRに取り組み始めてからエンジニア、デザイナーの定着率は100%です。

平井:応募者の通過率も上がっていっているように感じます。会社やカルチャーを理解した方に多く応募いただいているので、マッチ度が高くなっているのかもしれません。目的は採用と、採用した方に長く活躍していただくことなので、とても良い効果であると思っています。

鈴木:選考に参加する前にブログを読んでくださっているので、「自社を知るための質問」より「自社を知った上での、更に一歩踏み込んだ質問」が増えた印象です。選考の過程で行われる議論が深くなりましたね。

エンジニア採用が成功した理由から考える、採用PRの重要性

——採用PRが、エンジニア採用に大きく貢献しているんですね。成功のポイントは何だと思いますか?

鈴木:冒頭で少しお話した、「全社採用」のカルチャーが土壌にあるからではないでしょうか。採用PRに限らず、採用業務全般において、採用担当だけでなくエンジニアもとても積極的です。Slackの採用チャンネルでは、毎日活発な議論が行われています。

「一緒に働く仲間を自分たちで選ぶ」という当事者意識があるからこそ、ブログの運営も上手くいってるのだと思います。

——採用担当者だけではなく、メンバー全員が主体的に採用に関わるカルチャーがあるんですね。

平井:そうですね。採用に限らず、会社にとって重要だと思えることには、メンバー全員が当事者意識を持って自主的に動くカルチャーがあります。オフィス増床の際にはメンバーみんなでDIYをしたり、メンバーの協力が必要なイベントには自ら手をあげて積極的に貢献したりなど、会社のためやチームのためになることは、みんなで協力し合っていこうという姿勢が強いですね。

このようなカルチャーは、弊社のバリューの一つに「OWNERSHIP:すべてを自分事として、情熱と責任を持って最後までやり切ろう。」があることが大きな理由だと思います。本業の仕事以外の部分でもこのようなカルチャーが浸透していることは、スペースマーケットの大きな特長です。

——サービスのグロースも、採用の成功も、働きやすい環境づくり、背景にはカルチャーの浸透があるということでしょうか。

鈴木:そうです。だからこそ、これから将来一緒に働いていく仲間たちも、カルチャーマッチしているかどうかがとても重要になってくると考えています。そのためのカルチャー発信、採用PRなので、採用PRは私たちにとってとても重要な取り組みの一つになっています。

まとめ

「自社で活躍できる社員の共通点はカルチャーへの共感」という見解のもと、自社ブログを通して、未来の仲間に自社のカルチャーを理解してもらったからこそエンジニア採用が成功している株式会社スペースマーケット。

理念経営や理念採用に取り組まれていたり、カルチャーマッチを重視されている企業にとって、スペースマーケットさんの事例は参考になるのではないでしょうか。

小野瀬 わかな
小野瀬 わかな Wakana Onose
CO-NECTAR編集部・ フリーライター

採用領域を中心に、企業の情報発信をサポートしているフリーのインタビューライター。

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