CO-NECTAR


 

リンクアンドモチベーション・麻野さんが語る!社内エンゲージメントを高める「期待×満足」の関係性

採用の手法が多様になっていく中、今改めて注目されている「社内エンゲージメント」。実際、採用シーンにおいてもマッチ度重視の採用ができる点や人材の流入を防げる点、社員が採用に協力的になるなどの理由で社内エンゲージメントを高めることが注目されています。

今回は、CO-NECTARでアドバイザーを務める西村 創一朗氏がリンクアンドモチベーションの麻野耕司氏に社員のエンゲージメントが高い企業の共通点や、エンゲージメントが低い企業は何をすべきかなどを伺いました。

インタビュー/CO-NECTAR外部アドバイザー 株式会社HARES 西村 創一朗

参照:社内エンゲージメントとは?採用にも従業員のエンゲージメントが重要な理由

PROFILE

麻野 耕司(あさの こうじ)
株式会社リンクアンドモチベーション取締役 / 株式会社ヴォーカーズ取締役副社長
2003年慶應義塾大学法学部卒業。同年株式会社リンクアンドモチベーション入社。2010年中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に当時最年少で着任。2016年国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」立ち上げ。2018年同社取締役に着任。同年株式会社ヴォーカーズ取締役副社長を兼任。国内最大級の社員クチコミサイト「Vorkers」を展開。新刊「THE TEAM~5つの法則~」を2019年4月にNewsPicksBookから発刊予定。

西村 創一朗(にしむら そういちろう)
株式会社HARES CEO 複業研究家 / HRマーケター
HRマーケター。1988年神奈川県生まれ。大学卒業後、2011年に新卒でリクルートキャリアに入社後、法人営業・新規事業開発・人事採用を歴任。本業の傍ら2015年に株式会社HARESを創業し、2017年1月に独立。独立後はHRテクノロジーの専門家として、企業人事やHRテクノロジーツールを提供している大手企業やスタートアップを対象にコンサルティングを行う。HR Technology Conference2017@LasVegasに視察に行き、報告会を開催。2018年11月に中国の上海・深センにHRテクノロジーカンパニーへの視察を予定。講演・セミナー実績多数。2017年9月〜2018年3月「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」(経済産業省)委員を務めた。

社内エンゲージメントが高い企業の共通点は「言行一致」にあり!

西村氏(以下、敬称略):麻野さんはこれまで数多の企業を見ていますよね。そんな中で、社内エンゲージメントが高いと感じた企業の共通点はありますか?

麻野氏(以下、敬称略):「期待と満足」が一致しているか、「言動と行動」が一致しているかということですね。そもそもエンゲージメントは、社員が何を期待していたことに満足した時に生まれやすくなるものなんですよ。

西村:では、期待していなかったことを満足させても意味がないということでしょうか?

麻野:そうです。サイバーエージェントの取締役人事本部長の曽山さんが「エンゲージメントを満たすためには、言行一致が大事」と仰っていましたが、まさにそうだと思いますね。会社もリソースが限られているので、あらゆることを満足させるのは難しい。満足させられないものに関しては、期待させないことも時として大事なのではないかと思います。

ですから、採用の時点で「こんなことを期待している人には入社してほしいけど、こういうことは期待しないでほしい」と伝えるのは、入社後のエンゲージメントを下げない一種の方法だと考えます。

西村:ある種、チャレンジングな発信な気もしますが、確かにそうかもしれませんね。

麻野氏:マーケティングの考え方で4P分析がありますが、実はエンゲージメントにも4つのPの考え方があります。
それは「Profession(仕事・成長)」「People(風土)」「Philosophy(目標・方針)」「Privilege(待遇・給料)」です。エンゲージメントの高い組織づくりをするためには、4Pのどれに期待してもらい、満足させるのかについて、社員と相互理解することが大切です。

例えば、マッキンゼーに入社する人は「Profession(仕事・成長)」の部分に惹かれて入社する。次のプロジェクトで何ができるか期待しているから「どうしてこんなに働かなきゃいけないんだ!定時で帰りたい!」と「Privilege(待遇・給料)」に文句をいう人はそんなにいないはずです。
オリエンタルランドで働いている人も、顧客に夢の国を届けたいという「Philosophy(目標・方針)」に共感しているから「People(風土)」へのこだわりは少ない。

この例からもわかるようにエンゲージメントが高い会社の特徴として、外ににじみ出てわかるくらい「何を約束して、何を大事にしているか」が明確で、採用の時に約束したことと、実際社内で行われていることに矛盾が少ないんです。

西村:会社として約束できないことに関しては約束せずに、約束できることに関しては何があっても揺るがずに守り、その約束にコミットしきるということですね。

麻野:逆にできないことを「できない」ということで、魅力を伝えることもできますからね。何年か前に、DeNAの採用ホームページのTOPに南場さんからの直接のメッセージで誰かに依存する人の特徴がいくつか挙げてあって。さらに、「こういう人はおそらくミスマッチなので、この場で辞退してください。私たちはひとりひとりが自立することを大切にしています」と発信したんです。

このメッセージって一見キツイ印象を与えるかもしれませんが、同時にDeNAの魅力も伝わります。メッセージに共感する入社希望者から見たら、入社意欲もおのずと高まりますよね。

エンゲージメントを高くするには、「定量化」がカギとなる

西村:期待させるところは期待させて、約束できないことはしないのがエンゲージメントを高める秘訣とのことですが、とはいえ退職者が絶えないなど、明らかにエンゲージメントが低い企業は何をしたら良いのでしょう?

麻野:「定量化」が大切です。エンゲージメントが低い原因がわからずに、なぜ不満なのかを探るのは無意味だと思います。例えば、エンゲージメントが低い理由が、“会社のビジョンや戦略が見えづらいこと”にあるのに、皆で仲良くなるためにレクリエーションや飲み会の回数を増やすような施策を闇雲に打っても改善されないですよね。まずは、なぜ不満なのかを探る、打ち手を試す、効果検証をすることが大切なんです。

西村:たしかに会社の売り上げを伸ばすために定量化して、打ち手を試して、効果検証をすることはあっても、組織の満足度を高めるために同じことができている企業って少ない気がします。

麻野:おっしゃる通り。ダイエットはその典型ですよね。体重計に乗らずに「痩せたい」と言って成功する人はなかなかいません。受験も志望校と自分の実力の差を定量化するために模擬試験がある。でも、組織づくりにおいて、定量化ができていない企業は多いんです。

西村:組織をしっかり見える化して、今自分たちがどの位置にいるのか、エンゲージメントは高いのか低いのか、課題は何なのか。課題に合った打ち手でPDCAを回すことが大事ということですね。

社内外問わず、信頼関係を構築するために、SNSの発信は重要?

西村:麻野さんと言えば、昨年からTwitterを始めましたよね?

麻野:そうですね、社内でもただTwitterしてるおじさんと思われているんじゃないかと心配になるくらい、最近はTwitterを積極的に運用していますね(笑)

西村:そもそもなぜTwitterを始めようと思ったんですか?

麻野:ビジネス的な観点が一番大きいです。これまで会社の中でBtoB、その中でも経営者や人事など絞り込まれた方々を対象とした事業を展開していました。この対象の方達へのアプローチはFacebookが効果的だと思っています。ただ、最近は会社全体ではなく、一部門とか一部署だけで導入してくださるお客様が増え、以前よりも様々な方とのお付き合いがあるので、もっとマスにアプローチしないとと思い、Twitterを始めました。

西村:当初の目的はあくまでもビジネスとのことですが、実際運用してみていかがでしたか?

麻野:採用においては、学生がTwitterを見ていると感じることが多いですね。あと、社内へのアナウンスメント効果を感じています。

西村:Twitterで社内にもたらす影響もあるんですか!?

麻野:これまで担当部門の直属の部下には、直接いろいろなことを伝える機会があったのですが、担当部門以外の社員と触れ合う機会はなくて。でも、Twitterを直属ではない部下がフォローしてくれるようになったことで、アナウンスメント効果が生まれました。例えば、直接面識のない社員でもTwitterを見てくれていることで「思った以上にポップな人かもな…」と僕のことを思うようになってくれることも(笑)。

西村:会わずしても社内と信頼構築ができているということですね。

麻野:そうですね。Twitterは広報なしでコミュニケーションができる場でもあるので。一方で、影響力が良い意味でも、悪い意味でも大きいのは事実。
現場や事業単位でコミュニケーションできる機能として、上手く使えるか使えないかがポイントだと思いますね。

西村:社内ではそのような効果があったのですね。
では、社外での効果はいかがですか?エンゲージメントが高いけど、少し口下手な企業企業が社外にエンゲージメントの高さを伝えるコツってなんでしょうか?

麻野:ブランディングでも大切なことですが、「相対化すること」が大事ですね。自分たちがどの企業と比較してほしいかを考えることが大切だと思います。昔、博報堂さんが「電博」という言葉を作った話とかは象徴的ですよね。

リンクアンドモチベーションの場合は、応募者の方からは人事コンサルや教育研修系の会社と比較されることが多くあります。でも、私たちとしては戦略コンサルやリクルートに行くような人材を採りたい。「コンサルティング会社の中でも、リクルート系の会社の中でも、同じような業態を取っている企業はない、モチベーションを唯一扱うオンリーワンの企業です」と代表の小笹が言ったんです。その結果、比べる相手がいない独特のポジショニングが功を奏して、戦略コンサルやリクルートを受けるような優秀な学生が集まってくれました。

西村:たしかに人材でもコンサルでもオンリーワンと言ったら、どちらの業界の志望者からも興味を持ってもらえますもんね。

編集後記

今回は、社内エンゲージメントを高めるポイントについてお伺いしました。

就職活動や、転職活動においても「成長できる環境かどうか」「ワークライフバランスを保てる環境かどうか」「報酬をたくさん得られるかどうか」など、軸とする部分は個人にとって異なるのは当然のこと。
なので、社内エンゲージメントを高めるには社員が会社に期待することと、会社が社員を満足させられることをマッチングできるかが大切というお話に納得しました。

後編では、エンゲージメントと採用の関係性について、麻野さんに語っていただきました。

於ありさ
於ありさ Arisa Oki
CO-NECTER編集部・ フリーライター

1991年生まれ。フリーランスのライターとして「働く」と「好き」を中心に執筆。広報/採用広報なども行なう。

RELATED

関連記事
新着記事一覧

POPULAR

人気記事
人気記事一覧

RECOMMEND

おすすめ記事

REGISTER NOW

今すぐメールアドレス登録
人気記事やイベント情報等を配信しています
お問い合わせはこちら
トップへ