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コンテンツ制作の候補者ジャーニーマップ、採用PRの評価指標大公開!ナイルのかだんの採用PR術【後編】

前回の事例インタビュー「『内定承諾率100%』——ミスマッチ採用を0%にしたナイルの採用PR術【前編】」は、ナイルさんが採用PRの一環として「ナイルのかだん」をスタートさせた経緯と、その効果について伺いました。

今回は、気になるコンテンツ制作の裏側や、採用オウンドメディアにおけるKPIの設定方法について伺います!

コンテンツは候補者ジャーニーマップに沿って制作

—— ではここから、「入社3ヶ月以内の離職率0%」「内定承諾率100%」に繋がったコンテンツ作りについてお聞かせください。

渡邉氏(以下、敬称略):現在は、「候補者ジャーニーマップ」を作成し、それに沿って制作しています。

マーケティングで使用する「カスタマージャーニーマップ」を、採用に向けてカスタマイズしています。例えば、カスタマージャーニーマップをそのまま採用に当て込んでみると、

横軸:「ナイルの認知」「ナイルへの興味・関心」「ナイルと他社の比較・検討」「入社」
縦軸:「接触ポイント」「行動」「思考」

などになりますよね。

ところが、このカスタマージャーニーだとユーザー視点に立てていない一方的なストーリーになっている。なぜなら、全ての候補者にとってのゴールが、ナイルへの入社とは限らないからです。ナイルをとても魅力的だと感じてくれていても、候補者のキャリアパスが明確になっていなければ「採用候補者」ではなく「ファン」ですし、逆に転職意向が強くても、ナイルへの共感度が低ければ候補者は他社に転職されますよね。

そこで、私たちは「ナイルへの印象」を縦軸に置き、「転職意向」を横軸に置いた「候補者ジャーニーマップ」を利用しています。

これは、弊社のデジタルマーケティング事業部の顧問を務めてくださっている清水誠さんが提唱している「コンセプトダイアグラム」(※)という考え方です。

これに当て込むと、それぞれのタイミングで態度変容を起こすためには、どんな動機づけや情報が必要で、そのためにはどんなアクションを取る必要があるのかを可視化できるため、作るべきコンテンツが明確になってきます。

—— 「採用目的だから社員紹介やカルチャーの紹介」ではなく、どのフェーズにはどんな情報が必要なのかをきちんと把握した上で、必要なコンテンツを作られているんですね。

 

(※)「コンセプトダイアグラム」のナイルにおける活用は、こちらの記事でも詳しく知ることができます。
Webマーケで”ユーザー体験”にこだわってきた人事が、採用活動について考えてみた #ベンチャー採用AdventCalendar2018
https://note.mu/potatoman/n/n57060b38b845

担当者の成果を可視化して評価するために、オウンドメディアの評価項目と連動

—— オウンドメディア「ナイルのかだん」を運営する上で、KPIは掲げていらっしゃいますか?

渡邉:柔軟性のある目標設定をしていて、具体的には、下記の5つの評価項目を掲げています。

▼「ナイルのかだん」評価項目
①PV数
②リファラル経由の訪問率 (SNS、Wantedly、メール)
③再訪セッション数
④公開後48時間のFacebook、Twitterシェア数
⑤最低記事更新数

このような目標設定をしている理由は、採用PRに取り組む理由が、採用計画を満たすためではなく、「自社に共感してくれる人と一緒に働くため」だからです。それにも関わらず、「SEOでこのキーワードをとる」「SNSでバズる記事を出す」といったPV至上主義になってしまうと、採用においては本質からずれていってしまう。ですから、「PVを増やそう!」だけがスローガンにならないようにしています。

そして、この5つの目標の達成状況によって、人事としてのパフォーマンスも評価されるようにしています。

▼達成水準
C:「ナイルのかだん」評価項目②~④のうち1つ+⑤
B:「ナイルのかだん」評価項目②~④のうち2つ+⑤
A:「ナイルのかだん」評価項目②~⑤
S:「ナイルのかだん」評価項目全達成

例えば、「⑤最低記事更新数」を担保した上で、「②リファラル経由の訪問率(SNS、Wantedly、メール)」と「③再訪セッション数」が達成されていれば「B」という評価になります。

この評価基準を設けた理由は、私自身が事業部側から人事に異動して感じたことがきっかけです。

事業部側には、売上など、成果をアピールするために分かりやすい指標がありますよね。ですが、人事や労務、総務などのバックオフィスは、成果や努力が目に見えないことも多い。でも実際には、かなり攻めの姿勢で取り組んでいる。これは実際に人事として働いてみてよくわかりました。

そこで、人事としてのパフォーマンスが上がっていることや、自分の能力が上がったことによって成果が出たことをアピールできるような評価指標を設けました。

結果的には、スタート時に立てた目標「5,000pv」は初月に達成してしまったので、目標設定の方法も随時見直しています。

目指すのは、人や媒体に依存しない運営体制

—— 一般的にオウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかる施策なので、初月で目標達成されたのはすごいですね。

渡邉:前任者である五木田さん(※)のタレント性のおかげで広まったことも要因としては大きいです。これからは私がタレント力を上げる努力をしつつも、そこに依存しない運用体制をつくっていかないといけないなと。属人的な運用方法になってしまっては、組織として弱いので、再現性のある成果の出し方を考えていきたいと思っています。

情報を発信する場としてオウンドメディアを選んだ理由も、「媒体に依存したくない」という考えがあるからです。

例えば、求人媒体やエージェントフィーの値段が上がった場合、そこを脱却できない状態になっていたら、採用コストは上がり続けていくじゃないですか。

もちろん媒体を利用すること自体が悪だとは全く思っていないですし、弊社も活用しています。
ただ、Webマーケのコンサルタントとしての経験として、プラットフォームに依存することに対するリスク、自社に対するフォロワーを間接的にではなく直接増やすことの重要性も感じてきたので、それぞれの良さを活用しながら、自社メディアを育てていければと思っています。

(※)五木田さん
五木田 梨絵 氏/「ナイルのかだん」立ち上げメンバーの一人。2018年11月にナイルを退職し、現在はHARES社員HRマーケターとして活躍している。Twitter:https://twitter.com/gokitarie

— 人に依存しない運用体制といえば、、「ナイルのかだん」を立ち上げられて3ヶ月で運営担当の五木田さんがナイルを卒業されたのには驚きました。

渡邉:そうですよね(笑)でも、「やりたいことがある!」という彼女を全力で応援したかったんです。

引き止めることもできたかもしれませんが、リソースの問題や直近の運用体制についてはこちら側で解決すればいいことです。彼女が転職先でも活躍して、「彼女はナイルの卒業生なんです!」と誇らしくできるほうが、中長期的に見れば会社にとってもいいなと思って。もちろん彼女もやりたいことをやれているので、お互いに良いですよね。

—— ナイルさんらしい、素敵な関係性ですね。

内定承諾率100%、ミスマッチ採用低減を実現したナイルさんの採用PR術、いかがでしたでしょうか。

採用オウンドメディアを運用する上で、コンテンツのテーマに悩む採用担当者は多いと思いますが、候補者のフェーズに合わせて必要な情報を把握し、提供していくナイルさんの「候補者ジャーニーマップ」の活用法は非常に参考になります。

また、採用数やPVだけで採用PR担当者を評価するのではなく、コントロールできる範囲の目標(記事投稿数など)も設定し、成果として評価している点も、継続的に情報を発信し続けられる秘訣かもしれません。

再現性のある成果を出し続けるためには、媒体や人に依存しない運用体制を築くことも重要です。

小野瀬 わかな
小野瀬 わかな Wakana Onose
CO-NECTAR編集部・ フリーライター

採用領域を中心に、企業の情報発信をサポートしているフリーのインタビューライター。

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