
オウンドメディアリクルーティングで採用を成功させる秘訣とは?【コンテンツ例つき】
近年注目を集めるオウンドメディア。今回はそんなオウンドメディアを利用した採用活動、オウンドメディアリクルーティングとはなにか、実際に発信すべきコンテンツ例などを紹介します。
オウンドメディアで採用活動?オウンドメディアリクルーティング(OMR)とは?
オウンドメディアリクルーティングとは、その名の通り、オウンドメディアを使った採用活動のことです。
採用を目的としたオウンドメディアを運営し採用活動に生かす手法と、コーポレートや事業のブランディングを目的としたオウンドメディアの副次的な効果として採用に活用する手法があります。基本的には前者を指しますが、広義の意味では、どちらもオウンドメディアリクルーティングと言えます。
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、企業が自分たちで管理・運営するメディアのことで、トリプルメディア戦略の1つの要素を指します。自社の権限で自由に情報発信ができるため、ペイドメディア(採用広告)では伝えきれない情報を採用ターゲットに届けることができます。
Indeed社が啓蒙活動を強化。オウンドメディアリクルーティングは活性化するか?
近年、人材業界で存在感を強めているIndeed社は、オウンドメディアリクルーティングという概念を積極的に発信しています。こういった流れからも採用活動におけるオウンドメディア活用に注目が集まっていることを感じられます。
同社はオウンドメディアリクルーティングを次のように定義づけています。
オウンドメディアリクルーティングとは、自社の運営するメディア(採用サイトやSNS・社員)を軸に、高付加価値人材に自社主体で直接メッセージを発信し、共感を喚起することで人材獲得につなげていく能動的リクルーティングです。
引用元:https://owned-media-recruiting.com/about-omr
Indeedで上位に表示されるためには、Indeedに認識されやすい構成のページを自社サイト内で作る必要があるため、オウンドメディアリクルーティングを推し進めているのだと予想されます。
ただ上位表示されるされないに関わらず、採用市場が変化し、受動的な採用活動から能動的な採用活動への変革が求められているのは事実であり、その手法としてオウンドメディアリクルーティングは注目されるのは当然とも言えます。
オウンドメディアリクルーティングを実践するメリット
オウンドメディアリクルーティングを実践するメリットとして次のようなことが挙げられます。
1.自社とのマッチ度が高い人材と出会える
自分たちの権限で自由に発信、管理ができるのがオウンドメディアの魅力。そのため、自社のリアルな情報に共感してくれた人が集まりやすく、会社の思想や理念、文化とのマッチ度が高い人と出会えるといったメリットがあります。社内の様子や制度を積極的に発信することで、入社後のミスマッチも減らせるでしょう。
2.転職(就職)潜在層や他業種の人にもアプローチできる
求人広告や求人サイトは、転職意向が高い人が見るもの。一方、オウンドメディアはその会社や業種、職種に興味のある人から見られるため、転職(就職)意向は高くないが、会社とのマッチ度が高い人材、つまり転職潜在層との接点なりやすいという特徴があります。「すぐに転職したいわけじゃないけど魅力的な募集があればしてもいいかも」くらいの人まで対象になるので、採用対象者の裾野が自ずと広がるのです。
また、職種や業種以外で会社に共感できるポイントを見つけてもらえるので、今までにない業界の人から応募してもらえるなどの効果も期待できます。
3.従来の採用手法より低コスト
求人媒体への掲載や広告出稿、エージェントを利用すると金銭的な負担がかかりがちです。それに対してオウンドメディアリクルーティングは、長期的に見てコストが抑えられる傾向にあります。実際、オウンドメディアを見て応募した人が採用に至った場合、採用あたりの金銭的コストはほぼかかりません。
4.データを蓄積し、PDCAを回せる
従来の求人媒体経由の採用手法だと、媒体出稿でPVや応募数などはわかっても、細かい分析まではできないことが多くありました。また、エージェント経由の採用活動も、お断り理由はあくまでエージェントの解釈が入ったもののため、データの信頼性に疑問も生まれます。
それに対して、オウンドメディアを使った採用手法は自社にデータが蓄積されるので、採用戦略のPDCAを回しやすいといったメリットがあります。
オウンドメディアリクルーティングを実践するデメリット
一見、メリットが多く思えるオウンドメディアリクルーティングですが、もちろんデメリットもあります。
1.長期的な運用体制を作らないと効果が出ない
オウンドメディアに限ったことではありませんが、メディアは継続運用することで効果が出るものです。そのため、立ち上げただけでは期待した効果を得ることはできません。オウンドメディアを長期的に運用するためには、まずは責任者を配置し、時として外注を利用しながら体制を整えるなどの事前の準備が必要となります。
とはいえ、採用を目的としたメディアの立ち上げのために新たに人事を配置したり、体制を整えたりすることは簡単ではありません。その場合は、まずは自社の採用ページを充実させるところから始めてみましょう。
2.社内に協力体制がないと行き詰まりがち
そもそも情報発信に協力的な文化がないとオウンドメディアを運営するのは厳しいです。例え、運営者が情報を発信しようとしても、上層部が会社のリアルな声を伝えることを拒否したり、社員インタビューに出たくないと言われてしまったら元も子もありません。
そのため、オウンドメディアリクルーティングという手法が、自社の状況や文化にあっているかの見極めはメディアを立ち上げる前に必要です。
採用目的のオウンドメディアに掲載すべきコンテンツ
オウンドメディアを採用目的で運用するとき、ただやみくもに自社の情報を発信していても採用したいターゲットへの効果は出ません。では、オウンドメディアリクルーティングの効果を高めるために掲載すべきコンテンツとはいったい何なのでしょうか?ここからは、おすすめのコンテンツとその理由についてお伝えします。
1.社員へのインタビュー
社員のインタビューは、自社の文化や価値観を伝えるために効果的です。その会社の文化や価値観を体現する人のストーリーを伝えることで、採用したいターゲットが自分のストーリーと重ね合わせて共感することもあります。そのため、マッチングの精度や志望度を高める効果も期待できます。
2.社内制度や働き方
多様な働き方が当たり前となりつつある今、社内の制度や働き方を入社条件として重視する求職者が多くいます。そのため、単に制度としてあるのではなく、求職者が望む働き方が実現できるかどうかをオウンドメディアで発信することは有効です。
さらに、なぜその制度や働き方ができたのかの背景を発信することで、自社の思想や理念が伝わり、企業そのもののファンづくりにもつながるでしょう。
3.プロダクトの開発過程や込められている想い
プロダクトの開発過程や、プロダクトへの想いを伝えることで、その企業やそこに携わる職種が大切にしていることを伝えられます。同じ職種で別の会社で働いている潜在層に対して「この会社で今の仕事ができたら幸せだろうな」という共感を与えることができれば、採用へとつながるでしょう。ですから、プロダクトそのものの魅力はもちろん、担当者の情熱を伝えるコンテンツなど多角的に伝えることがおすすめです。
4.自社で開催したイベント
社内で行なわれたイベントの様子や、内定者を対象としたイベント、社員と社外両方に対して行なわれたイベントの様子を伝えることで、企業の魅力を多方向から発信できます。
例えば、イベントの際の写真からオフィス環境や活躍中のメンバーの雰囲気を伝えられるでしょう。また、イベントを開催した理由や運営の思いを紹介することで、自社が目指している方向性や価値観を伝えることもできます。
5.創業者や経営者の想い
従来の企業ホームページの中にある「社長あいさつ」や「企業理念」といったコンテンツは、オウンドメディアにも最適です。オウンドメディアで創業者や経営者の想いを伝えるコンテンツを組む場合は、ストーリー性を強め、読者の心を揺さぶり、共感させるような魅せ方にしましょう。
また、単に企業理念や社会貢献を掲げるだけでなく、その裏付けとなる思いを言語化することで共感者を増やせるでしょう。
6.自社の理念にマッチする著名人との対談やインタビュー企画
定期的に著名人とのインタビュー企画を組むことで、潜在層を増やすこと、オウンドメディアの認知を広げること、読者の興味を引き付けることが期待できます。また、これまで転職潜在層とは言えなかった層、例えば著名人のファンなどにもコンテンツが届くことによって、転職潜在層を増やせるといった効果もあるでしょう。
ただし、自社の理念に本当にマッチするのかといった見極めは重要です。
まとめ
今回は、オウンドメディアリクルーティングの手法やメリットとデメリットをお伝えしました。オウンドメディアを通した採用を成功させたい場合は、ただ闇雲に発信しても意味がありません。きちんとメディアを運営させるための体制を整えて、ターゲットに向けたコンテンツ作りを心がけましょう。