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採用マーケティングが重要視される理由とは?思考法やフレームワークも紹介

採用手法の1つとしてオウンドメディアの運営や採用広報などが注目を集めるようになった昨今。その根幹として、採用をマーケティング思考で捉える、いわば「採用マーケティング」が必要だと言われています。 そこで今回は、採用マーケティングを実践するメリット、どのような思考法やフレームワークが使えるのかについて紹介します。

採用マーケティングとは?

採用マーケティングとは、採用活動においてマーケティングの考え方や手法を取り入れることを意味します。つまり、採用マーケティングを理解するためには、「マーケティングとはなにか?」を理解する必要があります。

マーケティングとは?

マーケティングの概念は幅広く、定義するのが非常に難しいです。ここでは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」で有名なドラッカーと、マーケティングの第一人者として知られるコトラーの定義を引用し、マーケティングとはなにかを解説してきます。

<ドラッカーによるマーケティングの定義>

マーケティングの狙いは、顧客というものをよく知って理解し、製品が顧客にぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすること。

<コトラーによるマーケティングの定義>

どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること。
※どちらも以下から引用 http://www.pcatwork.com/special/id-2/3.html 表現は違っても、似たようなことを言っていることがわかると思います。 これらの定義を抽象化して採用マーケティングに言い換えると「採用したい人のニーズを満たす職場を作り、あらゆる手法を用いて、その価値をターゲット(採用したい人)に伝え、入社したいと思わせること」と言えます。

今までの採用活動との違い

今までの採用活動は「応募してくれた人の中から選ぶ」ことがメインでした。
  • 新卒一括採用で中途採用はほぼない
  • 応募者を集める手法はエージェントか求人媒体への出稿がほとんど
上記2つの採用傾向が一般的であり、「集めた中から最適な人を選ぶ選考方法」や、「応募者をたくさん集める手法」が課題となることが多くありました。 一方、採用マーケティングでは、採用の目的や理想状態に対する現状の課題、求人の対象となるターゲットの明確化など、より上位レイヤーから落とし込んで、人事戦略を考えるようになります。

なぜ今、採用マーケティングが重要視されるのか?

では、なぜ従来の採用方法とは異なる採用マーケティングが重要視されるようになったのでしょうか。

買い手市場から売り手市場へ。採用競争の激化

少子高齢化が進み、今や日本の働きざかり世代、いわゆる労働人口は年々減少しています。その結果、どの企業も人手不足が深刻な問題となっており、人材獲得競争が激化。理想の人材を獲得するためには、転職潜在層を含め、戦略的にアプローチする必要があるのです。

採用手法の多様化

人材を獲得するための難易度が高まる一方で、採用手法が多様化しているのも事実です。今までは就活サイトや転職サイトを利用した応募が一般的だったのに対し、SNSやイベントを通して求職者に直接アプローチをするダイレクトリクルーティングなどの手法も登場しています。 その結果、エージェントや求人媒体頼みの採用から中間業者を通さずに、自分たちで0から採用活動を行なう「自社採用」に注力する企業が増加。自社の採用力の強化のために、マーケティング思考が必要とされているのです。

企業が採用マーケティングに取り組む2つのメリット

企業が採用マーケティングに取り組むメリットは、大きく分けて2つあります。

低コストでマッチ度が高い人材を獲得できる

採用マーケティングの戦術にもよりますが、ターゲットを明確化した上でのダイレクトリクルーティングや、オウンドメディア・SNSなどで自社の情報発信を通した母集団形成など、従来の採用手法よりも金銭面のコストがかからない方法が使われることが多いです。 これにより、従来の求人媒体や紹介会社を利用した採用手法よりも採用コストを抑えられるのです。もちろんその分手間(=時間的コスト・人件費)がかかることもありますが、発信した情報は資産として蓄積され、自社採用力の強化につながるため、長期的に見れば費用対効果が非常に高まります。 また、従来の採用手法よりも会社の文化や風土を理解し、共感した上で入社することが多いため、定着率が高いというメリットもあります

長期的に安定して人材を確保できるようになるから

会社の魅力を発信することを通じて会社のファンを増やすことで、長期的に見て「採用活動がしやすい=人材市場から必要な人を調達しやすい」状態を作ることができます。 採用の新しい考え方として「タレントプール」の概念が広がりつつあります。これは「自社の採用候補者となりえる人材(talent)を蓄積しておく(poor)」というもの。採用マーケティングを実践することで、能力と思考のマッチ度が高い人と長期的に関係を構築でき、いざという時に採用しやすくなります

採用マーケティングの全体像

ここで一度、採用マーケティングの全体像と各フェーズにおける目標となるもの、考えられる手法について整理してみましょう。 採用マーケティングの全体像は、認知>興味>比較・検討>決定を経て、社員になるという流れになります。 今回の図では、中途採用を想定した記載にはなっているものの、実際のところ中途採用も新卒採用も基本の流れは同じで、転職潜在層=就職活動開始前の学生、転職顕在層=就職活動中の学生に置き換えられます。 ここからはそれぞれのフェーズ(マーケティング用語では、ファネルと呼ぶこともあります)について解説をしていきます。

認知(転職潜在層)

認知獲得の段階での目標は、「会社のことを知ってもらう」こと。転職ニーズの有無に関係なく、自社に入社してほしいスキルやマインドを持っている人がターゲットとなります。転職したいという気持ちがない段階から会社を知ってもらうことで、実際に転職活動を始めるときの候補に入りやすくなるのです。 いわゆる転職潜在層なわけですから、情報発信やメディア露出、イベント開催など、転職ニーズが無くても接点を持てる手法が効果的でしょう。

興味(転職顕在層)

認知の次の段階は、「転職先として興味を持ってもらう」こと。転職意向がすでにある、つまり転職顕在層へアプローチする施策を打ち出す必要があります。 具体的には、オウンドメディアやWantedlyを利用して、制度や組織、社員など、社内のことが伝わるような情報発信などが考えられるでしょう。

比較・検討

この層にいるのは、すでに自社に応募し選考を受けている人たちです。ここでの採用マーケティングの目標は、ほかの入社候補となっている会社との比較・検討で優位に立つこと。 中途採用、新卒採用問わず多くの場合、入社する会社を決める時には複数の会社を並行して受けるもの。なので、選考過程でターゲットの入社意向を高めることが目標となるのです。 そのためには、現場の社員と話す機会を設け、選考とは別にざっくばらんに話せる機会を設けたり、選考過程を見直したりなどの方法が考えられます。

決定

この段階の目標は「入社したい」と思わってもらうこと。つまり採用候補者に、内定を承諾してもらい、最終的な転職・就職先として選ばれることにあります。 昨今は採用の難易度があがっていることもあり、入社までに社内イベントに呼んだり、配属予定の部署の方とのランチ会を開いたりする企業もあります。また、入社を迷っている人には、迷っている理由を伺い不安を払拭した上で、クロージングをかけることも必要です。

採用マーケティングに使える思考法やフレームワーク

採用マーケティングは、自社の人材戦略を理解し理想を明確化した上で、課題を設定し、理想に近づくための作戦を立て、実際の戦術を実行していくもの。しかしながら、いきなり課題設定やそれにあった手法の選択をやりましょうと言われてもむずかしいですよね。 そんなときにおすすめしたいのが、マーケティングのフレームワークなどを使って、自社やターゲットについて考えてみること。「採用マーケティングって何から始めたらいいのだろう?」そんな担当者の方に役に立つ、採用マーケティングに使いやすそうな思考法やフレームワークを厳選してご紹介します。

3C分析

マーケティングにおいて、顧客との良好な関係を築くときに3C分析という手法が使われます。3Cとは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)3つの頭文字をとったもの。 採用マーケティングにおいては、Customerは「自社が採用したいと思うような求職者」、Competitorは「自社以外に採用候補者が興味を持ちそうな企業や業種・規模が近くてよくバッティングする企業」、Companyは言うまでもなく「自社および自社の働く場所としての魅力」となります。人材戦略や採用計画を決定する際にこの3つの「C」を分析することで、より有効な施策が見えてきます。

ペルソナ

マーケティングにおけるペルソナとは、理想の顧客像のこと。ターゲットのようにある程度幅を持たせるのではなく、実際に存在しそうな一人の人間を作り上げます。多くの人に刺さる商品開発をしてきた手法とは異なり、あくまでも「買ってほしいたった一人に買ってもらえる」商品の開発をするため手法です。 これを採用マーケティングに置き換えると、ペルソナ=採用したい人物となります。採用したいターゲットをより明確化し、実在する一人の人物をイメージして行動や思考を分析することで、取るべき手法や打ち出すべきメッセージが考えやすくなります。

5A理論

5Aとは、冒頭でも紹介したフィリップ・コトラーが提唱する理論。インターネットが普及してから、顧客の購買プロセスを見るフレームワークには、AWARE(認識する、知る)、APPEARL(記憶や印象に残る)、ASK(調べる)、ACT(購入する)、ADVOCATE(周りに勧める)という5つの「A」が見受けられるようになりました。 これを採用マーケティングに置き換えると、求職者がどのような流れで意思決定をするのかを分析し、マーケティング手法を考えていくことができるようになります。 ちなみに、先に紹介した「採用マーケティングの全体像」はこのフレームワークを参考にしたもの。ぜひ5つの「A」に当てはめて、今一度読んでみてくださいね。

採用マーケティングは、採りたい人を採用するために必須

今回は、昨今注目を集める「採用マーケティング」について、なぜ今、採用マーケティングが重要視されているのか、企業が取り組むメリットと合わせてご紹介しました。 採用マーケティングは、今まで一般的だった受け身な採用活動とは異なり、入社してほしい層に積極的にアプローチし、入社してもらうための手法と言えます。ぜひマーケティング思考を身に着けて、自社の採用活動に当てはめてみてはいかがでしょうか?
於ありさ
於ありさ Arisa Oki
CO-NECTER編集部・ フリーライター

1991年生まれ。フリーランスのライターとして「働く」と「好き」を中心に執筆。広報/採用広報なども行なう。

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